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ジョウビタキの製作記録を紹介しています。
道具や材料、詳細な作り方については「バードカービングの作り方」を参照してください。

ジョウビタキ 台の製作
 枝の製作(2011/08/28)

 何となく気が向いたと言うか、中途半端にカットしたエゴ材が邪魔になったので、
 久しぶりにジョウビタキの製作を進めます。


 台のデザインはあまり考えていないのですが、今回は枝タイプの台にします。
 まずは、その辺で拾ってきた枝を参考にして下書きします。(かなり適当です。)
 その後、エゴ材をザックリと1面カットします。
 
 

 下書き線に合わせて、タフーンバーで荒削りします。
 まだ丸めは行いません。角削りにしておきます。
 
 タイフーンバーで削った所は、毛羽立っているので、枝の接合部は、
 鉄ヤスリをかけて、平らにしておきます。
 

 枝を接着します。接合部には1.2mmの真鍮線を入れてあります。
 普段は木工用ボンドで接着するのですが、今回は木工用瞬間接着剤を
 使ってみました。使用感は・・・まあまあと言った所です。
 何となく、ちゃんと接着されていないような・・・。

 タイフーンバーで丸く削りだし、ルビーでならしておきます。
 

 ボールのダイヤで表面をボコボコにします。
 

 ヤスリビット、ルビー、スポンジヤスリなどで表面を「適度」に丸めます。
 丸めすぎると、ボコボコが消えて枝らしくならなくなります。
 かと言って、ボコボコを残しすぎると、しつこい感じになります。
 
 ここまでの作業が予想以上に時間がかかりました。(5時間)
 なので、今週はここまでとします。
 
 台基部の部品製作(2011/09/04)

 今回の台の部品達です。
 適当な大きさにカットした木材に、斜めにカットしたアクリル棒を刺して、
 枝を取り付けようと思います。
 
 アクリル棒は、直径30mmのアクリル棒をバンドソーでカットし、
 ベルトサンダー、240番ヤスリ、400番ヤスリ、800番耐水ヤスリ、
 研磨剤の順で磨いています。
 
 台の木材は、家に転がっていたフォルカタ材を使っています。
 柔らかくて加工しやすいのですが、スカスカの材です。
 
 枝の取付け(2011/09/04)

 アクリル棒側に直径1mmの穴を、3mm程度の深さであけます。
 そこに、直径1mmの真鍮線を接着します。
 
 穴が深すぎると、真鍮線が目立つので浅めにしています。
 また、穴が浅いので、こちら側を接着しています。
 
 アクリルと金属なので、何の接着剤を使ったらいいのか悩みましたが、
 いつも使っているエポキシボンドで試した所、しっかり接着できました。
 

 デバイダーで真鍮線の間を測り、枝側にマークし、穴をあけます。
 この時、一気に穴をあけると、穴の角度が失敗することがあるので、
 少しあけては、刺して確認し、を繰り返します。
 
 で、大きなトラブルもなく、枝とアクリル棒が付きました。
 なかなか、いい感じです。
 
 台基部の加工(2011/09/04)

 アクリル棒を刺す部品と、台基部を木工用ボンドでしっかり接着します。
 その後、ラッカーを塗ります。
 

 今回はツヤツヤ加工したいので、サーフェーサーを噴きます。
 写真は1回噴いて、1000番の耐水ヤスリで磨き、もう一度噴いた所です。
 木目がハッキリ浮き出ていて、とてもじゃないですが、サフを噴くだけでは
 どうにもなりそうもないです。
 
 木材の表面はベルトサンダーでかなり綺麗に磨いていたのですが、
 木材自体が、スカスカでどんなにヤスリをかけてもデコボコが消えないです。
 変な材は使うものではないです・・。
 

 サフだけでは、デコボコをどうにも解消できそうもないので、
 溶きパテを作って、デコボコを埋めることにします。
 
 タミヤのパテをラッカー薄め液で溶いて、筆塗りします。
 パテを塗るので、筆はボロイのを使います。
 あまり薄めすぎると、溝が埋まってくれないので、
 ドロっとした感じ程度で薄めます。
 

 パテを塗りたくった結果です。
 一応、木目は消えたように見えます。
 
 この後、ヤスリで仕上げるのですが、パテが半乾きでヤスリをかけると、
 中からデロっとパテが出てくる事があるので、しっかり乾燥させます。
 ということで、今日はここまでとします。
 

 パテを塗った筆をラッカー薄め液で洗浄した結果です。
 かなり痛むかと思っていたのですが、そうでもなかったです。
 
 それにしても、この手の作業はシンナー臭くて苦手です。
 頭はボーとするは、気持ち悪くなるはで、どうしょうもないです。
 台基部の色塗り(2011/09/11)

 600番、1000番の耐水ヤスリをかけて、改めてサフを噴いたところです。
 まあ、何となく木目や傷は消えました。溶きパテは効果あったようです。
 
 

 台の色は、以下の理由で黒が一番無難なのですが、どうも面白くないので、
 今回は違う色にします。
 
  ・黒は、無彩色でどんな色(有彩色)でも反発しない。
  ・黒は、重い色なので、安定感があるように見える。
 
 で、考えたのですが、ジョウビタキは胸のオレンジ色が綺麗な鳥なので、
 台もオレンジ色に近い金属色ということで銅色にします。
 
 金属色にした理由は、光が台に反射して作品を引き立てるかもしれないので。
 また、アクリル棒を使ったのも同じ理由です。
 
 写真は「メッキ感覚」の銅色スプレーを噴いところです。
 スプレーのサンプルを見ると、凄く金属ぽかったのですが、
 1回噴いただけでは、思ったほどでもなかったです。
 
 残念ながら、金属反射は期待できそうもないです。
 

 一度、銅色スプレーを噴いて、600番、1000番の耐水ヤスリをかけて、
 再度噴いた結果です。磨けば、反射するようになるかと思ったのですが、
 余計酷くなりました。どうも、まだ研究が足りないようです・・・。
 
 面倒なので、今度同じような台を作る時は、直接銅板を貼り付けようと
 思います。
 
 らしくなってきたのですが、綺麗すぎるところが気になります。
 

 ということで、少しウエザリング(汚し)をかけます。
 写真の材料を使いました。
 
 まずは、エナメル塗料のフラットブラックを、エナメル塗料薄め液で
 薄めて、溝に流し込みます。(墨入れと同じ要領です。)
 
 次に、黒のパステルに綿棒をゴシゴシ押し付け、黒くなった綿棒を
 エッジ部分に擦り付けます。
 
 最後に「半ツヤ」のスプレーをかけて、ツヤを整えるのと同時に、
 パステルの黒が落ちないようにコーティングします。
 

 で、ウエザリングの結果です。
 エッジ出しが少し失敗しましたが、それなりに渋く仕上がりました。
 
 今回は無難なところで「半ツヤ」で仕上げましたが、「ツヤ消し」で
 仕上げれば、もっと渋くなると思います。
 

 全体のバランスを見るため、ひとまず仮組してみました。
 
 残念ながら、下からの金属反射は得られませんでした。
 試しに銅板を置いたところ、反射して鳥が少し明るくなりました。
 ただ、銅版はそのままだと酸化するので、それなりに加工が必要そうです。
 
 バランス的には、それほど悪くないように思いますが、
 枝が少し寂しいです。葉を追加した方がいいかもしれません。
 
 足の位置決めで苦戦して、夜中になってしまったので今回はここまでです。
 次回、紙で葉を作って、いい感じだったら葉を追加します。
 そうでもなければ、これで台は完成です。
 
 枝の色塗り(2011/09/19)

 紙で葉を作ってみたりしたのですが、どうもしっくりしないので、
 葉など、余計な物は付けない事にしました。
 
 ただ、平行製作しているカワラヒワの台に紙の葉を付けたところ、
 こちらは、いい感じなので、葉を付ける事にしました。
 
 葉を付けないのはいいのですが、どうも完成イメージが掴めないのと、
 足の製作の兼ね合いから、枝の色塗りを行います。
 
 写真は、ラッカーを塗って、下地色の銅スプレーを噴いた所です。
 サフは噴いていません。
 
 木が金属光沢というのも何ですが、自分の感覚では、木は金属光沢している
 ような気がします。というか、普通に作るのもつまらないので実験です。
 

 以下の手順で仕上げました。
 
 @黒のエナメルカラーで全体を薄く塗って、トーンを落とす。
 Aチタニウムホワイト、イエロオキサイド、ウルトラマリンブルー、
  バーントシェナーを適当に混ぜて、茶色がかった灰色にし、
  ドライブラシをかける。
 Bバーントアンバーでウォッシングする。
 C白、黒、銀のパステルを綿棒で擦りつけて、エッジを出す。
 Dツヤ消しスプレーを噴く。
 
 大体、上記のような手順で塗ればいいはずです。
 実際には「ツヤ消しスプレー」を噴かずに、「半ツヤ」を噴いたところ、
 テカテカになって「ツヤ消し」を噴きなおしています。
 
 ドライブラシや、パステル中心の彩色なので、窪みの銅色は少し残りました。
 予定より暗い色合いになってしまいましたが、まあ仕方が無いです。
 
 仮組みしてみた所、バランスはそんなに悪く無いように思います。
 ただ、やはり少し寂しいような・・・
 

 試しに、台基部と同じ手法で作ったネームプレートを置いてみました。
 字が汚いのは別として、何となく賑やかになりました。
 
 「Daurian Redstart」はジョウビタキの英名です。
 本当は学名にしたかったのですが、面倒なので英名です。
 
 何はともあれ、ひとまずこれで台は完成です。
 

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