トップバードクレイの部屋バードカービングの作り方 >4-12.色塗り、完成写真


もくじ
  
 スズメ 色塗り、完成写真
 このページにおける注意事項

 色塗り中の写真も撮ったのですが、データが壊れてしまったので、完成写真のみで説明しています。
 以下に注意してください。

  ■ 今回の作品は、若鳥を想定しています。大人の場合は、頭やクチバシの色が変わります。
  ■ 写真の色は目安です。図鑑などに載っているスズメの写真も参考にしてください。
  ■ 色の調合比率は目安です。写真を参考に調整してください。
  ■ 色塗り範囲の図は目安です。写真を参考に細かく塗ってください。
  ■ 自信がない場合は、水で薄めて、様子をみながら塗ってください。

 色塗りの心得・基本テクニック

 アクリル絵の具を使って、色塗りを行います。
 色塗りに失敗すると、今までの努力が水の泡になるので、慎重に、面倒くさがらずに作業します。
 以下は、色塗りの心掛け、及び注意することです。
 
 準備・環境
  ■ 照明は、白色蛍光灯を使うようにします。電球色は色が違って見えるので使わないようにします。
  ■ 水入れは2つ用意します。1つは常に綺麗な水にしておきます。 
  ■ 筆は複数本用意しておきます。境界をぼかしたりするのに複数本あると便利です。 
  ■ ガラスパレットはよく磨いておきます。前の色が残っていると面倒なことになります。
  ■ ガラスパレットの下に白い紙を置いておきます。色の発色を確かめるためです。
  ■ 調合色の確認用に、画用紙を用意しておきます。紙の種類はケント紙で十分です。
  ■ ちり紙は何かと使うので、箱ごと用意しておきます。
  ■ ドライヤーは直ぐに使える所に置いておきます。
  ■ 作品に汚れが付かないよう、周辺を掃除しておきます。
  ■ 作品は布手袋をして、扱います。

 アクリル絵の具の扱い
  ■ 絵の具をチューブから出すときは、よく振ってから出します。
  ■ 絵の具は状況に応じて、水で薄めて使います。水で薄めずに使うことはありません。
  ■ 調合作業は、調合する色を全てパレット上に出してから、徐々に混ぜていきます。
  ■ 調合作業は、画用紙に塗って、色を確認しながら行います。
  ■ 調合色は、途中で足りなくならないように、多めに作っておきます。
  ■ 調合色は、塗り終わる前に乾かないよう注意します。(水を足す)
  ■ 調合色は、小瓶やフィルムケースなどに入れておくと、長期保存できます。
  ■ 色については、「3-2.色について」も参考にしてください。
  
 色塗りの基本 
  ■ 筆の太さは、塗る面積に合わせて選択します。細ければいいというものでもありません。
  ■ 絵の具や、水が、筆に付きすぎている場合は、少しちり紙で筆を拭いてから塗ります。
  ■ 一回で塗らないようにします。テクスチャーが消えないように何度も塗り重ねるようにします。
  ■ 塗り重ねは、前に塗った色が完全に乾いてからにします。乾かないうちに塗ると色がはげます。
  ■ 乾燥はドライヤーを使います。この時、あまり熱くしすぎないように注意します。
  ■ 色を変えるときは、筆をよく洗います。
  ■ 水入れに、筆を入れっぱなしにしないようにします。先が曲がってしまいます。
  ■ パレットに付いた色は、ペインティングナイフで削りとることができます。

 テクニック
  ■ ぼかし
    2色の境界を塗るとき、境界付近を水で湿らせておいて、2色間をぼかすテクニックです。
    水だけを付けた筆で、ぼかすこともあります。

  ■ ウォッシング
    水で凄く薄めた絵の具を、全体に塗るテクニックです。
    色調を落ち着かせる効果があります。
    水と絵の具の比率は、だいたい 水90%+色10% 程度です。

  ■ 墨入れ
    水で薄めた絵の具を、溝に流し込むようにして塗るテクニックです。足などで使います。

  ■ ドライブラシ
    乾いた筆に、絵の具を付けて塗るテクニックです。陰影を強調したい場合などに使います。

 基本配色
  ■ 薄い色から濃い色に塗り重ねるようにします。
  ■ 茶色の箇所は、黄色から赤色に塗り重ねるようにします。
  ■ 羽に陰影を出すため、べた塗りは行わないようにします。
 
 その他注意事項
  ■ 間違った色を塗ってしまった場合は、上から塗り重ねることで対応できますが、
    テクスチャーが弱くなるので、なるべく間違わないようにします。

 足の色塗り

 @ 油性の黒マジックで爪を塗ります。 
   これは、後の色塗りを楽にするためと、色が剥げたことを考えてです。
 
 A 以下の色を作り、足全体に塗ります。
 
   バーミリオン     60%
   イエローオキサイド  25%
   ウォームホワイト   10% 
   ウルトラマリンブルー  5%

 B 水で薄めたバーントアンバーで墨入れします。
 
 C バーントアンバーで爪を塗ります。

 D Aの色でドライブラシをかけます。

 E Aの色で、ウォッシングします。

 腹・胸・ホオの色塗り

 @ 以下の色を作り、下尾筒から胸にかけて塗ります。
   この時あまり濃く塗らないようにします。
   頭との境界は、ぼかしておきます。

   イエローオキサイド  10%
   バーントアンバー   10%
   ウォームホワイト   80%  

 A @の色をぼかしながら、頭の白い部分(ほお、喉)の、
   羽の影(羽の付け根)を塗ります。

 B @の色にバーントアンバーを少し加え、ぼかしながら、
   @で塗ったところの、羽の影を塗ります。

 C ウォームホワイトで、頭の白い部分をぼかしながら塗ります。

 D 今回塗ったところを、ウォームホワイトでウオッシングします。
 尾・翼・背の色塗り

 @ 足の製作で使った仮台に、マスキングテープで作品を固定します。

 A 水ですごく薄めたイエローオキサイドで、茶色の部分(尾、翼、背)
   とクチバシを塗ります。この時、白い所は塗らないでおきます。
   (大雨覆先端、中雨覆先端)

 B 水ですごく薄めたバーントアンバーで、ホオの模様と喉の模様を塗ります。

 C 以下の色を作り、翼、尾、背、クチバシを塗ります。

   イエローオキイド   40%
   バーントシェナー   40%
   ウルトラマリンブルー 10%
   ウォームホワイト   10%

 D バーントアンバーで、翼、尾の黒い所を塗ります。
   この時、エッジは残すように塗ります。
   また、初列風切羽の模様にも注意します。

 E バーントアンバーで背の模様を、ぼかしながら塗ります。

 F 背の影になる所を、水で凄く薄めたバーントアンバーで塗ります。

 G 以下の色を作り、水で凄く薄めて、Dで塗ったところを薄く塗ります。
 
   バーントアンバー   90%
   ウォームホワイト   10%

 H 以下の色を作り、Dで塗った所の中心や、陰部分を塗ります。
 
   バーントアンバー   70%
   ウルトラマリンブルー 30%

 I Cの色で、今回塗ったところをウオッシングします。
 頭、クチバシの色塗り

 @ 以下の色を作り、頭の茶色箇所を塗ります。
   若鳥の場合は、以下の色でいいですが、大人の鳥の場合は、
   バーントアンバーを少し多めにします。

   バーントアンバー   40%
   バーントシェナー   60%

 A @の色に、わずかにウォームホワイトをたし、
   @で塗ったところを塗ります。
 
 B @の色を、羽の付け根に塗ります。

 C 以下の色を作り、これにわずかにウォームホワイトをたし、
   クチバシを塗ります。今回は若鳥なので、クチバシの根元に
   黄色の箇所を残しています。大人の場合は残す必要ありません。

   バーントアンバー   70%
   ウルトラマリンブルー 30%

 D Cと同じ色で、ぼかしながらホオの模様、喉の模様を塗ります。
   今回は若鳥なので、模様を小さめにしていますが、大人の場合は、
   若干大きく塗ります。
  
 E ウォームホワイトを加える前のCの色で、クチバシの先端や、
   羽の陰影を強調します。

 ツヤ出し・完成

 @ 水で凄く薄めたマットメディウムで、翼、尾、足、クチバシを塗ります。
   この時、水は綺麗な水を使い、筆もよく絵の具を落としておきます。

 A ツヤの加減を見ながら、重ね塗りします。
   重ねるほどツヤはでますが、あまりテカらせすぎると、安っぽくなるの
   で注意します。ツヤは出すことはできますが、消すことはできないです。
    
 B クチバシ、爪のツヤを特に出して、最後に羽軸のツヤを出します。   
   マットメディウムだけでツヤが足りない場合は、グロスメディウムを   
   使います。   
 完成後の保管について
  
 これで完成です。完成後の扱いについても少し書いておきます。   
     
  ■ 作品は直接手で触れないようにしたほうがいいです。   
  ■ 色落ち防止のため、直射日光のあたらないところで保管します。   
  ■ カビ防止のため、湿気の少ないとところで保管します。   
  ■ ホコリ防止のため、ケースなどに入れて飾るといいです。   
    写真のように、アクリルボックスなどを使うといいです。   
  
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