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1回目シリコーン流し | ||
先週は用事が色々あって、ほとんど作業ができませんでした…。 何とか、テストショットまで行ったので、作業記録をアップしておきます。 前回は、粘土埋めまで行ったので、今回はシリコーン流しからです。 以下の手順で流しました。 1.必要なシリコーンの量を計算する。 ⇒シリコーンを流す部分の体積(立方センチメートル)が、必要なシリコーン重量(グラム)になる。 ⇒今回は、足が「2×9.5×8=152」、本体が「3.5×9.5×17.5=582」合計734gで、約750g必要にな る計算だが、余裕をもって800gとする。 2.計算した量のシリコーンを紙コップに出す。 ⇒普通の紙コップであれば、100gから150g程度に留める。 ⇒あまり多く出すとかき混ぜにくくなる。 ⇒今回は100gのカップを8個作った。 ⇒使用したシリコーンは「旭化成ワッカーシリコーンSLJ3266」です。 3.各紙コップに、柔軟剤またはシリコーンシンナーを添加する。 ⇒100gに対し4〜5ml添加する。 ⇒スポイトを使って添加する。 4.硬化剤を添加して、かき混ぜる。 ⇒100gに対し4ml添加する。 ⇒1カップずつ作業する。(全カップに硬化剤を添加しない) ⇒硬化剤のビンは口が小さいので、必要な量を紙コップに出して、スポイトを使って添加する。 ⇒硬化剤はスポイトを壊す効果がある。安いスポイトを複数用意しておくと良い。 ⇒硬化剤を入れすぎると硬化が早くなる。 ⇒かき混ぜる時は、板状の棒を使う。 5.シリコーンを流す ⇒原型に直接接するところは、なるべく新しいシリコーンを使う。 ⇒原型に対しては、棒からシリコーンを糸状に垂らしながら流す。 6.エアブラシで気泡を吹き飛ばす ⇒気泡がなくなってきたら、3の工程に戻って繰り返す。 |
足パーツの2回目シリコーン流し準備 | |
写真01 |
1回目のシリコーンを流した後の足パーツです。 油粘土が結構原型についてしまいました。 |
写真02 |
シリコーンバリアーは油粘土を溶かす性質があるので、筆などで 塗って、油粘土を落とします。 ブロックを積み重ね、マスキングテープで目止めしておきます。 |
本体の2回目シリコーン流し | |
写真03 |
1回目のシリコーン流しの後、ブロックを崩しているところです。 マスキングテープで目止めしておいたので、ブロックの隙間に シリコーンが流れることもなく、綺麗に仕上がっています。 今まで、ブロックの隙間にシリコーンが流れて、ブロックの清掃 が大変でしたし、シリコーン硬化中にダラダラ流れ出していたの で気が気でなかったのですが、今回は良い出来だったと思います。 |
写真04 |
油粘土を取り除いたところです。 余計な所(翼の先端)にシリコーンが流れてしまったようです…。 |
写真05 |
保護用のマスキングテープを剥がしたところです。 やはり、余計な所にシリコーンが流れてしまいました…。 写真では分からないですが、胸のあたりにもウッスラとシリコーンが 付着しています。こちらは、シリコーンシンナーを筆で塗って取り除 きました。 |
写真06 |
余計な所に流れたシリコーンをデザインナイフで慎重に切り出します。 かなり慎重に切り出したのですが、余計な所を切ってしまい、表面も ガタガタになってしまいました。 対応として、シリコーン:硬化剤=10:1位のシリコーンを、切り出し すぎた所と、ガタガタになった所に塗っています。この位の比率だと、 直ぐに硬化が始まり接着剤のような形で使えるようです。 ちなみに、最初は溶かして対応しようとしたのですが、シリコーンシ ンナーでは役不足で、バーニングで熱して溶けないか試してみたので すが、全然溶けずでした。ネットで調べると、トルエンで溶かす事が できるみたいです。 |
写真07 |
ブロックを積み重ねて、マスキングテープで目止めします。 シリコーンバリアーを忘れずにキッチリ塗って、1回目と同様の手順で シリコーンを流します。 |
写真08 |
完成した、本体のシリコーン型です。 余計な所にシリコーンが流れることもなく上手くいきました。 原型に僅かに油粘土が付着しましたが、シリコーンバリアーで 少し拭いたら綺麗に落ちました。 |
写真09 |
完成した足パーツのシリコーン型です。 こちらも、余計な所にシリコーンが流れることなく出来ました。 |
レジン流し準備 | |
写真10 |
本体の準備は以下の手順で行います。 1.離型剤を噴く。 2.目の位置に、5mmのレジンアイを接着する。 ⇒接着剤は「マスキングコートR」を使っています。 3.ベビーパウダーを筆で塗って、エアブラシで軽く噴いて、 余計なベビーパウダー飛ばす。 ⇒翼の先端は念入りに行う。 ⇒この工程を飛ばすと、表面に小さい気泡が付きやすくなる。 |
写真11 |
足パーツの準備は以下の手順で行います。 1.離型剤を噴く。 2.写真のように1mmの真ちゅう線を配置する。 ⇒ずれが無いように注意する。 3.一度、真ちゅう線を外し、ベビーパウダーを筆で塗って、 エアブラシで軽く噴いて、余計なベビーパウダー飛ばす。 ⇒ベビパウダーが多すぎると、目詰まりに原因になる。 ⇒ベビパウダーが少なすぎると、細かい所に流れなくなる。 4.再度、真ちゅう線を配置する。 |
レジン流し | |
写真12 写真13 |
本体側にはダボピンを使っていますが、この大きさ、この数では、 完全固定には至らないようです。ただ、型ずれは結構抑えられて いるように思います。劇的では無いにしろ、効果は十分にあるよ うに思うので、次回も使ってみようと思います。 いつもはゴムで固定しているのですが、今回はボルトで固定して います。この方法の方が型ずれが少ないように思います。 湯口には先をカットしたシリンジをセットしました。こうすると 高さを稼げるので圧力が上がります。また、流している最中に硬 化してしまいそうな時は、シリンジとして使って、強制注入する ことも可能です。シリンジに付着したレジンは簡単に剥がせるの で何度でも再利用可能です。 足が10g、本体が100gのレジンが必要でしたが、シリンジで強制 注入しなくても、時間内に流れました。 使用したレジンは180秒タイプのもので、冷蔵庫で予め冷やして います。A液、B液を30秒かき混ぜて、200秒位で流しきりました。 今回の条件では、300秒位から硬化が始まりました。 |
写真14 |
シリコーン型から取り出したキャスト品です。 翼の先端が絶対に失敗すると思っていたのですが、なぜだか綺麗 に抜けました。フショに埋め込んだ真ちゅう線も問題なさそうで す。内心、凄ーく不安だったので本当に良かったです。 ただ、ファーストショットで、早くもシリコーン型が切れました。 予想通り翼の先端に無理な力が加わるのが原因です。今日現在、 5個抜いていますが、離型剤を毎回噴いて、ベビーパウダーも入念 に塗っているせいか、破壊は広がっていないです。何とか10個位 は耐えて欲しいところです。 |
バリ取り | |
写真15 |
今回は、下嘴に大きめな空気穴を設定しています。 ランナーを除去するが少し大変です…。 |
写真16 |
超音波カッターで、ランナーを除去したところです。 この後、ルータで形を整えます。 |
写真17 |
いきなり登場した超音波カッターですが、昨年木材カットに使えない かと思い購入したものです。「ZO-41」と言う機種です。 木材カットについては、木が焦げるだけであまり使えなかったので、 お蔵入りしていたのですが、レジンのカットは、バターを切るように カットできます。ニッパーや、デザインナイフのカットだと、余計な 所に力がかかって割れたりすることがあるのですが、超音波カッター はその心配がないです。ただ、切断面が若干溶けます。 |
写真18 |
超音波カッターのハンドピースです。太くて少し握り難いのが難点 です。 ランナーをルータで削ると、結構な量の削りカスが出て、それが臭 い上に、ルータの目詰まりの原因になりそうで悩ましかったです。 超音波カッターの使用で大分改善しそうです。 超音波カッターは、まだまだ用途がありそうな気がするので、今後 色々試してみようと思います。それにしても「超音波カッター」の 響きは、中二病っぽくて好きです。 |
仮組み | |
写真19 |
超音波カッター、デザインナイフ、ルータ、ピンバイスでバリを除去 したところです。 |
写真20 |
足を組み立てたところです。 思ったより良い感じです。 |
写真21 |
全体を組み立てたところです。フショに1mmの真ちゅう線を埋め込 んでいるので、強度的には問題ないようです。 今まで、小鳥のガレージキットの足は、毎回最初から自作していた ので、滅茶苦茶大変だったのですが、これで量産化の目処が立ちま した。 ここまで124時間かかりました。ここからは量産なので、制作時間 のカウントはここで終了とします。足を木で作ったり無駄な作業を していたので、実際は100時間程度だったのではないかと思います。 今回のレジンキャストは色々調べたり、過去のノウハウをまとめな がらの作業でした。参考までに、ここまでのノウハウをまとめた テキストを ここ にアップしておきます。 今後の予定として、今週は量産で、来週は色塗りができたらと思い ます。早ければ、2週間後に色塗り完了できるかもしれません…。 |
おまけ | ||
うちのチハヤ(セーカーハヤブサ)に見せてみました。 覗き込んだり、突いたりしていました…。 チハヤは換羽中で、細かい羽がよく抜けます。 現在の作業上、不純物は困るので作業中は別室で待機なのですが、少々不満があるみたいです。 |
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写真22 | 写真23 | 写真24 |