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 資料紹介

 【基本情報】
  タイトル :鳥と飛行機どこがちがうか
  著者   :ヘンク テネケス
  出版社  :草思社
  定価   :1900円位
  仕様   :白黒/201ページ/A5
  ISBN   :ISBN 978-4794209184
  出版日  :1999/10
  
 【内容・レビュー】
  鳥というか、航空力学の本です。
  鳥も飛行機も飛びますが、どういった法則に基づいて飛ぶのか書いてある本です。
  どちらかと言うと工学系の本です。なんで、少なめですが数式なんかもでてきます。
  完全に文系の人だと少々難しいかもしれませんが、全然読めないこともないと思います。
  かくいう自分は、数学が苦手なんで全部は読破してないです・・・。
  
  この本を読むと、体重(重量)、翼の面積、翼の形などで、飛行性能や飛行効率などを計算で
  きたりするので、鳥や航空機の見方が変わると思います。実在の旅客機、戦闘機、鳥類、昆
  虫類を同列に比較しているのが面白いです。
  
  この本を読むと、鳥はやはり高性能だなっと思います。海鳥系はどちらかと言うと、旅客機
  に近いですが、スズメ目なんかは戦闘機に近いです。フクロウ類は空対地専門のステルス攻
  撃機で、ハヤブサはスピード重視の一撃必殺、重量級戦闘機です。昔のアメリカの海軍機み
  たいに、エンジンの出力が大きくて、頑丈な戦闘機みたいな感じです。タカは旋回重視の対
  地、対空どちらもOKなマルチロール戦闘機って言った感じです。昔の日本海軍の零戦みた
  いに小回りが利いて、航続距離が長い戦闘機って言った感じです。
  
  バードカービングで図面を作図していると、翼の形、長さ、体重から色々生態を考えたりし
  ますが、その基礎となる知識が身につきます。野鳥を観察していても、翼の長さや体重が気
  になりだします。更に、その種が食べるエサのカロリーが気になり、更に更に、生息域と移
  動距離、カロリー対価なんかも気になったりしだします。
  
  といった感じで、この本を読むと微妙に鳥の見方が変わるかもしれません。また、巻末に有
  名鳥の重量、翼面積、翼幅、飛行速度の一覧が載っているので、そちらを眺めるのも楽しい
  です。この本は、多分絶版になっているので、現在は入手困難と思われますが、あんまり人
  気がなかったのか古本で入手できるかもしれません。アマゾンで中古が出てました。
  
  鳥と言うと識別や生態がメインになりがちですが、こういった物理学的な観点から鳥を捉え
  るのも面白いと思います。その辺を飛んでいるスズメでも、時速40km程度の速度はでていま
  す(遅すぎると失速して落ちます)。その点、人間はオリンピック選手でも時速36km程度が
  限界なので、スズメと言えども侮れ無いです。
  
  話は脱線しますが、戦闘機の話が出たついでにフライトシミュレータ系のゲームをやると、
  感覚的に理解しやすいかもしれません。ただし、シミュレータは重力や航空力学の概念が
  反映されているものに限ります。家庭用ゲーム機向けのソフトだと、この辺無視している
  ことが多いので注意です。ミサイル満載で重量があっても性能が変わらないのは、個人的
  にはいただけないです。全弾発射後、身軽になる快感が味わえないのはもったいないです。
  
  実際にやってみると、戦闘機の機種によって全然操作感や燃費が違うのですが、これは、
  翼の形(アスペクト比)、重量、エンジン出力などで変わるのが分かります。また、戦闘中は
  ブラックアウトやレッドアウトで失神したり、無理な機動で機体が損傷したりします。
  
  この点、ハヤブサなんかは、体重600g〜1200gで、時速300km以上の速さでで急降下、急停止
  したりするのに、身体は大丈夫で失神もしないです。どんだけ丈夫にできてんだかと思いま
  す。確かに、うちのチハヤ(セイカーハヤブサ)を据えてみると、ガッチリしていて、頑丈
  そうです。
  

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