トップ研究室&資料室標本室 >ニホンキジの剥製



 頭周り

 知り合いの、バードカービングの先生をやっている方から、ニホンキジの剥製を譲ってもらいました。
 大変状態の良い剥製なので、参考までに載せておきます。以下、気づいた事などです。
 
 ・赤い部分は肉垂で、羽は生えていません。
 ・肉垂内の黒い部分は羽が生えています。皮膚の模様ではないので、バードカービングで表現する場合
  には注意が必要だと思います。
 ・ミミズクの羽角みたいな冠羽があります。
 
 背中・尾・上尾筒・下尾筒周り

 ・よーく観察すると、背や肩の羽は、羽軸の先端が凹んでいます。
 ・上尾筒の羽は羽枝がバラバラになっていて、羽軸も良く分からないです。バードカービングで表現する
  場合は無理に羽出ししなくても良いかもしれません。
 ・尾羽のT1,T2あたりは、羽縁がギザギザになっています。上尾筒の羽もそうですが、小羽枝が無いだと
  思います。
 ・下尾筒の羽は、基本的に焦茶色ですが、一部模様が入っていたり、青味がかっています。
 


 翼周り

 ・風切羽の羽軸は硬くて太いです。
 ・翼は小さく、翼のカーブは大きいです。
 


 首・胸周り

 ・全体にバリバリの構造色です。
 ・胸の羽(緑箇所)は、羽軸の先端が凹んでいます。一見すると細かい羽が一杯生えているように
  見えますが、実際は1枚の羽の先端が2枚の羽のように見えている事が多いようです。この辺は
  表現する上で注意が必要そうです。
 ・首の羽は青が強いです。首の羽は羽軸の先端が凹んでいないようです。(普通の形)
 



 足周り

 ・キジ目のオスなので蹴爪があるのですが、この個体は左足の蹴爪が欠損しています。
 ・左足の蹴爪が生えていた跡はあるのですが、皮膚でカバーされているので、多分生前に何らかの
  理由で失って、そのまま治癒したものと思われます。
 
 キジはよく見かける鳥ですが、こうして実物をよーく観察すると色々発見があります。多分キジを
 作ることは無いと思いますが、キジの奥深さを感じる事ができました。
 




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