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雑記帳
>2008/05/25 剥製とバードカービング
剥製とバードカービング
東京大学で「鳥のビオソフィア」という企画展が行われていたので、
行ってきました。内容的には山階鳥類研究所の剥製、骨格標本、資
料の展示といったところです。
見たことない鳥の剥製や博物学の絵画など、大変すばらい内容でした。
特にキーウィ、ヤイロチョウ、カラカラなどの剥製は初めて見るので
感激でした。(キーウィが迫力で、なおかつセクシーでした)
また、専門の絵師が描いた鳥類画は、それほど正確ではないかもしれ
ませんが、現代の図鑑にはない美しさがあり、当時(200年前)の
人達の熱い思いが感じられました。
そして、世界には様々な鳥がおり鳥学の深さをあらためて思い知らさ
れました。
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剥製は最適な展示方法か?
今回の企画展で1つだけ気になったのが剥製の完成度です。古い剥製が
多かったためか、色落ちや、羽が欠損している本剥製が多いような気が
しました。見る人が見ればその辺りは差引いて見てくれると思いますが、
まったく鳥を知らない人には誤解を与えそうな気がします。
鳥に興味を持つことは、その地域の自然や文化を理解することにつなが
ると個人的には思っています。なので、展示手段は重要と考えます。
で、代表的な3つの展示手段である、剥製、バードカービング、写真に
ついて考察してみました。
剥製
○原寸大で間近に見られる(実感できる。迫力ある)
○羽の枚数やクチバシの長さなどは正確である(本物の利点)
○とにかく現物なので間違いがない
△生息環境が分かりにくい(工夫次第だが・・)
△上手くない本剥製は形もよくない
△希少種は死体を入手すること自体が困難
×管理が悪いと、色落ちや、羽の欠損が発生する
×小型の鳥は剥製にすること自体が難しい
バードカービング
○原寸大で間近に見られる(実感できる。迫力ある)
○色落ちや羽の欠損を心配する必要がない
○小型の鳥でも対応できる
△希少種でも資料さえあれば製作できる
△剥製に比べると部分的に正確ではない(技術次第だが・・)
△生息環境が分かりにくい(工夫次第だが・・)
写真
○背景の写真から生息環境を伝えることができる
○生きている状態なので羽の色とか鮮やか
○生きている状態なのでポーズとかが、生き生きしている
△希少種の写真は入手し(撮り)にくい
×大きさや、細かい構造は伝えにくい(迫力に欠ける?)
×光の加減などで、色が違って見えたりする
こうしてみると、それぞれ一長一短ですね。ひとつ言えそうなことは
どれか1つの展示方式に限らず組合わせて使うのがよさそうです。理
想は3つまとめて展示でしょうか。
また、バードカービングは剥製とかぶる所が多いですが、剥製の欠点
を補ってくれそうです。という意味ではバードカービングは意義ある
ものと思います。
自分は剥製や写真は駄目ですが、バードカービング(クレイ)では、
がんばれそうなので、改めて精進せねばと思います。