トップ猛禽の部屋飼育記録 >2016/02/22 下の方が見やすいの!



 下の方が見やすいの!

 チハヤは、下の写真の様に良く首を傾げます。
 この仕草が実に可愛いんですが、これには一応理由があります。
 専門家でないんで、多少推測も入っていますが参考までに載せておきます。
 
 スズメなど目が横に向いている鳥は、横を向いて、頭を反らす(上を向く)ように傾げますが、
 これは対象物を良く見るためと言われています。
 
 対象物を良く見るためには、眼球の中で一番感度が良い所(網膜、中心窩、黄斑)にピントを
 合わせる必要がありますが、鳥の目は人間にように動かせないので頭を丸ごと動かしてピント
 合わせします。
 
 スズメの場合は、目が横についているので、まず横を向く必要があります。また、スズメは下
 にある餌を探すのに便利なように下の方が見やすくなっている(多分)ので、正面や上方を良
 く見るためには、上を向いてピント合わせする必要があります。要は、一番感度の高い位置に
 目を合わせると、あのポーズになると思われます。
 
 チハヤもスズメ同様に、対象物を良く見るのに首を傾げますが、ハヤブサ類は目が正面を向い
 ていているので、横を向く必要がありません。餌(獲物)を探す関係で下の方が良く見えるの
 はスズメと同様と思われ、頭を反らしたり、回転させてピント合わせしているものと思われま
 す。
 
 この首傾げですが、幼鳥の方が良くやります。成鳥になるとあまりやらなくなります。子供の
 時は何でもかんでも興味深深で学習するので、首を盛んに動かして対象物を観察したいのだと
 思います。といっても、成鳥でもやるにはやります。
 
 ハヤブサ類など、昼行性で餌を獲るのに正確な位置を測る必要がある鳥は、目のピントを2箇所
 で合わせられます。正面と横の2箇所同時にピントが合っている世界は、なかなか想像できま
 せんが、チハヤが見ている世界はかなり違った世界なのだと思います。ちなみに、フクロウ類
 は1箇所にピント合わせするタイプですが、かなり色は見えていないとのことです。
 
 ハヤブサやタカ、カワセミなどが良く首を上下に動かしますが、これは距離を測ったりしてい
 る時です(詳しい話は機会があったら書きます)。また、ハヤブサ類の首の骨の数は15個で、
 人間は7個、フクロウ類は大体14個なので、チハヤはかなり器用に首が回転できます。
 
 とまあ、色々ウンチクを書きましたが、鳥類の首傾げポーズは、鳥好きにとっては、一番の
 ストライクポーズであることが多いようです。このポーズで悩殺される鳥好きは多いのでは
 ないでしょうか。このポーズ、ぜひともバードカービングで表現したいと思うのですが、
 頭を3軸で回転させるので難しいんですよね・・・。
 

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