トップ猛禽の部屋飼育記録 >2010/08/01 ボウの消音装置



写真1 初列風切羽最外側(全体)
写真2 初列風切羽最外側(拡大)
写真3 初列風切羽最外側(全体)
写真4 初列風切羽(全体)
 今週末は、家にいなくて、カワラヒワの製作が進んでいません。
 とういことで、今週はフクロウ類の羽について書いてみました。
 
 フクロウ類の羽は消音装置が付いていることで有名です。
 その構造は新幹線のパンタグラフに応用されているくらいです。
 
 それで、現在換羽中のボウは、先日、初列風切羽の一番外側の羽が
 1枚抜けました(写真1〜3)。
 
 写真1,2を見ると外弁側に、ギザギザ構造があるのが分かります。
 これが、消音装置の役割をするらしいです。なお、この構造は、
 一番外側の初列風切にしかないらしく、それ以外の初列風切(写真4)
 には基本的に見当たりません。ただし、一番外側の初列風切以外で
 も、一部羽の外弁欠刻にはギザギザ構造が見られます。
 
 また、内弁側にはギザギザ構造は見られませんが、内弁欠刻には、
 かなりの切れ目があります。おそらく、これも消音装置の役割を
 はたしているのだと思います。
 
 写真では分かりにくいですが、フクロウの羽の表面側内には綿毛が
 生えているようです。他の鳥の羽の写真を撮ると、羽枝が写るので
 すが、フクロウの羽の場合、この綿毛の影響で、羽枝がよく写らな
 いです。
 
 実際に羽を触ってみると、他の鳥のようなツルツル感がなく、
 柔らかい感じがします。この綿毛も消音装置の意味があるのだと
 思います。なお、この構造は羽の裏側には見られず、全身の羽に
 適用されているようです。(裏側は気流の関係で必要ない?)
 
 写真3のように初列風切羽の一番外側の羽は、反りが弱いようです。
 先端だけが極端に反っているようです。これはどういう意味がある
 のかわかりませんが、消音の意味があるのかもしれません。または、
 たまたまなのかもしれません。ちなみに、他の羽もそれ程、反りが
 ないようです。激しく飛ぶわけではないので、このような構造に
 なっているのか、消音に関連するのか、たまたまなのか不明です。
 
 こうしてみると、ボウの羽一枚から、色々なことが分かります。
 と、同時に、様々な疑問も沸いてきます。やはり、フクロウを飼う
 のは面白いです。こういうのは実際に飼ってみないと、なかなか気
 づかないです。
 
 それにしても、この羽をフェザーカービングで表現しようとすると、
 とてつもなく、難しいような気がします・・・。
 
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