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製作背景 | |
デザフェス向けのスチロール製の鳥が間に合いそうにないので、ここはボウ (アフリカワシミミズク:略してアフワシ)に協力してもらうことにしました。 ボウはまだ換羽中で羽が相変わらず良く抜けます。特に風切羽は立派なもので、羽ペンにしても良い位 羽柄が太いです。で、ボウの風切羽で羽ペンを製作してみたのですが、羽柄が柔らか過ぎて、使い勝手 が良く無かったです。どうもフクロウ類の羽軸や羽柄は柔らかいみたいです。単純に栄養が悪いだけと も考えられますが、フクロウの羽は消音の関係と、あまり長距離飛ばないので柔らかいのではないのか と思います。チョウゲンボウの羽やカラスの羽は羽柄がずっと硬かったです。 本来、羽ペンは水鳥(ガチョウが多い)の羽で作るのが一般的なようなので、フクロウの羽で作るのは 無理があったのかもしれません。といってもこのまま引き下がるのもシャクなので、羽ペンからボール ペンに変更しました。その前に、今度羽ペンを本気で作るかもしれないので、羽ペンの作り方を書いて おきます。 @羽柄を水に浸け、マイペンアルファで焼き入れする。 ⇒何度も繰り返す。 ⇒マイペンアルファのメモリは3〜4程度、4以上は焦げる可能性あり。 ⇒この作業をすると羽柄が硬くなる。 ⇒本来は熱した砂を用いる。 A羽柄の先を切る。 ⇒乱暴に切ると、羽柄が縦に割れるので注意。 ⇒グラインダで先を削ると綺麗に仕上がる。(ヤスリビットが使いやすい) B羽柄内部にある繊維をかき出す。 ⇒細いホワイトストーンで内部を磨くと綺麗に仕上がる。 C羽柄をペンのような形状に加工する。 ⇒丸ペンの形状をイメージすればよい。 ⇒丸ペン程先を長く尖らせると、ペン先がしなって書きにくくなるので注意。 もっと羽柄が硬い鳥ならば、丸ペンと同じ形状にしてもいいかも。 ⇒加工には本来ナイフを使うが、グラインダの方が加工しやすい。 |
アフワシボールペンの製作手順 | |
厚さ1mm程度の牛革を写真のように切り出します。 グリップになります。 |
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牛革を写真の様に縫い合わせます。 0.7mmボール、長さ70mmのボールペン用替芯を用意します。 今回はトンボ社製の替芯を近所のスーパで購入してきています。 型式は[BR-SF33]です。 ボウの風切羽(右翼)の羽柄先端を写真のようにカットし、 内部の繊維をかき出します。 |
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ボールペン用替芯を羽柄に差込みます。 この時強く差込むと、羽軸が縦に裂けるので注意します。 アフワシの場合は替芯の直径と羽柄の内径がほぼ同じだったので 良かったのですが、大きな羽の場合には、羽柄内に粘土やパテを入 れて、内径を調整した方がいいです。芯がグラつくと、かなり書き にくくなるので、注意が必要です。 |
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牛革で作ったグリップを写真のように挿入します。 これで完成です。 よく中世ものの映画や、ファンタジー系映画やゲーム、アニメに 出てくる羽ペンって感じで、カッコイイです。 書き心地の方もまあまあで、ボールペンなので使い勝手が良いです。 |
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使わない時は写真のようにグリップを下げて、芯先を保護します。 接着などを行っていないので、バラす事ができ芯交換も可能です。 ただ、素材が天然物なので、そう長くはもたないと思います。 それでも大事に使えば数年程度はもつと思います。 |
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ついでなので、ペン立ても作ってみました。 奥多摩産の流木を加工して作っています。 加工といっても、材を切断、切断面を磨いて、ドリルで穴開けて、 穴の形状をグランダで調整しているだけですが(思ったより手間)、 良い感じです。 これでデザフェス出展のレパートリが一つ増えました。 抜けた羽はまだあるので、11月までに何枚か量産したいと思います。 販売して、ボウの餌代の足しにしたいと思います。 |