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 集塵機自作
 製作背景

 先日、グラインダー(ハンドピース)を改造したので、今度は集塵機を自作する事にします。
 製作の前に、集塵機に求められる機能/性能を考察してみました。
 
【機械削り派の悩み】
  機械削りは手軽に細かい作業が出来るのが魅力ですが、細かいオガクズが凄くて、健康面、環境面
  でよろしくないです。それと騒音もそれなりにします。ただ、これはノミで叩く音とよりかは、ある
  意味マシかと思います。叩く音は壁伝いに響きますが、モータ音はそれがないと思います。
  環境面、健康面で考えると彫刻刀だけで削るのが一番良いと思いますが、自分のような不器用な人や
  あまり力が無い人には難しいです。また彫刻刀でテクスチャリングを行うのは無理だと思います。
 
【市販集塵機の問題】
  バードカービング用の集塵機も市販されていますが、経験からすると、どれもイマイチだと思います。
  静穏設計タイプ集塵機は、集塵性能が悪いように思います。吸い取らなければ意味が無いです。
  集塵機能優先の集塵機は、確かに良く吸い取りますが、直ぐに集塵性能が落ちます。
  こうなると、ただウルサイだけの機械になります。
  どちらもファンとフィルタの組み合わせで集塵しており、フィルタの詰まると、直ぐに集塵機能が
  落ちます。また、机の上に置くタイプが多く、結構邪魔になります。
  
【掃除機集塵の問題】 
  掃除機のノズルを机に取り付けて集塵する方法もあります。
  この方法は大変良く吸い取りますが、騒音が激しく、個人的にはチョットつらいです。
 
【集塵しない場合の問題】
  集塵機は上記のような問題があるので、現在使っていないです。防塵マスクをしっかりすれば、
  それ程問題ないですが夏場はマスク内が蒸れますし、何より部屋がオガクズだらけになります。
 
【集塵機に求められる性能】
  上記から集塵機に求められる性能は以下だと思います。
 
   ・集塵能力 : よく吸い取る方がいいです。
   ・低騒音  : 静かな方がいいです。
   ・スペース : 場所を取らない方がいいです。机の上に置くのは出来れば避けたいです。
   ・集塵位置 : 無理な姿勢を強いられずに、集塵できた方がいいです。
 
  今回は上記性能を考慮しながら集塵機を自作することにします。
 
 ファンについて

 まずは、一番大事なファンです。
 
 換気扇で集塵機を作ったこともあるのですが、デカイ割に吸い取らないので、
 パソコン用のファンを使う事にします。写真はUSBで駆動する12cmファンです。
 1000円チョットだったと思います。
 
 9cmファンで自作したこともあるのですが、9cmだと集塵能力がイマイチです。
 ただ、9cmファンは場所を取らないので、用途によっては悪くないです。
 
 どちらにしても高速回転タイプの方がいいです。静穏タイプファンと言うのも
 売っていますが、集塵能力に問題あります。そもそもグラインダのモータ音が
 かなりウルサイので、あまり静穏にしても意味がないです。
 
 ファンには、写真のような金属製のカバーを必ず付けた方が良いです。
 駆動中のファンに誤って触ったりすると怪我しますし、使い方によっては
 作品に傷を付けることもあります。
 

 もう一台、12cmファンを用意しました。
 こちらは普通に電源供給タイプです。3000円位しました。
 
 先程のファンより高速回転です。性能を比較すると以下です。
 高速回転になっている分、騒音も大きくなっています。
 
  ファン@ : 1900rpm/31dB/USB駆動 
  ファンA : 2600rpm/39dB/DC12V,0.38A
 
 ちなみに、40dBを超えると結構ウルサイと言われています。
 ファンはパソコンショップの自作PCパーツ売場で購入することができます。
 大体、1000円〜4000円位だと思います。
 
 電源タイプなので、普通にコードがついています。(写真3)
 コードが3本ありますが1本は回転数制御用です。本来はセンサーに接続します。
 今回は黄色のコードが制御用コードだったので、このコードは使いません。
 
 電源ユニットは、自作PC用の電源ユニットを流用しようかと思ったのですが、
 良く分からなかったので、家に転がっている適当なACアダプターを使いました。
 
 DC12v/0.38Aの電源を用意しなければならないですが、手元に丁度良い電源が
 なかったので、12V/1.2AのACアダプターを接続しています。電流が大きすぎて
 壊れないかヒヤヒヤでしたが、大丈夫でした。むしろトルクが上がったように
 思います。
 
 試した訳ではないですが、Nゲージ(鉄道模型)のパワーパック(電源装置)が案外
 良いかもしれません。電圧は12Vで統一されていますし、電流は0.5〜3.0Aまで
 様々なタイプがあるみたいです。価格は3000円台〜らしいです。
 
 試作1号

 一番シンプルな集塵機です。机の上に置いて使います。
 ファンをタッパー上部にテープで固定し、半分位まで水を入れて使います。
 
 市販の集塵は全てフィルタを使っていますが、フィルタはお手軽な分、目詰まり
 の問題があります。
 
 その点、水はとても優秀な吸着物質らしく、塗装工場で集塵用に使われているの
 をTVで見たことがあります。目詰まりの心配もなく、集塵能力が落ちる事も
 ないです。
 
 実際に使ってみると、構造が簡単な割りに良く吸い取ります。USBタイプのファン
 を使ったので静かでした。問題点は、机の上に上に置くので、少し邪魔なのと、
 集塵位置が決まってしまうので、削り難いという点でした。
 
 自分の場合、ヒザの上とか目の前で削る事が多く、机の上の一箇所で削るのは
 難しいです。かと言って、集塵機との距離があくと集塵能力が落ちます。
 
 試作2号

 試作1号は、ファンの向きが上だったので削り難かったです。
 ということで、今度はファンの向きを横にしてみました。
 
 で、結果ですが、ファンの位置が高すぎて削り難いかったです。
 また、横方向の気流が強くなったせいか、水に吸着するオガクズが減って、
 机の上を汚してしまいました。
 
 これならば、試作1号にダクトを付けた方が良かったかもしれません。
 ただ、その場合不安定になると思います。
 試作3号

 ファンにアルミ製のダクトを取り付けてみました。
 試作なので、ダンボールで作っています。
 アルミ製のダクトは東急ハンズなどで扱っています。
 
 使用方法は、ファンをヒザの上や机の隅に設置し、ダクトの先端を、水を半部位
 入れたバケツの上に設置します。伸縮自在のダクトを使っているので、自分の好
 きな位置に集塵位置を設定する事ができます。
 
 集塵位置が自由に設定できるので削り易く、集塵能力も問題なかったです。
 かなりのオガクズがバケツに入れた水に吸着されました。
 
 問題があるとすれば、ファンが上部に付いているので、集塵位置を決める際、
 ファンの重量でずれてしまう事があるのと、ファンが手元にあるので、やや
 騒音が気になる点、それにダクトの先端位置が安定しない事です。
 
 しかし、どれも大した問題でなく、十分使える集塵機だと思います。
 
 試作4号

 試作3号のファンの向きを逆にして、ファンの位置をバケツ上部に変更して
 みました。
 
 ファン側には、バケツ上部に固定できるよう、つっかえ棒を付けています。
 また、ファンと吸い取り口に距離があるので、強力タイプのファンに変更し
 ています。吸い取り口側には、ガイド用の箱を付けています。
 
 

 こんな風に設置して使います。
 
 ファンが足元なので、強力タイプのファンでも騒音があまり気にならないです。
 吸い取り口は重量が軽く、ガイドが付いているので設置が楽にできます。
 
 集塵能力は試作3号とあまり変わらないような気がします。
 問題点として、足元のバケツが気になるのと、足元から風がくるので、
 チョット寒いです。夏場は良いのですが・・。
 これらの問題は試作3号も同じなので、ひとまず我慢する事にします。
 
 

 試験的に削った結果です。
 オガクズが水に吸着して、沈んでいるのが確認できます。
 
 当面は、試作3号と4号を試験的に使ってみようと思います。
 気が向いたら、また改造するかもしれません。
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