ハンドピース改造 |
製作背景 |
私事ですが、先日歯の詰め物がとれまして、約20年振りに歯医者さんのお世話になりました。
20年前と言ったら、バードカービングの存在すら知らない時期でしたし、歯医者と言ったら
「キューン!」と、あの独特の甲高い音と、痛いイメージしかなかったです。
しかし、バードカービングを知った今、歯医者さんに行くと、色々興味深いです。
・グラインダ(ルーター)のメーカー、回転速度、トルクなどの性能は?
・使用ビットはダイヤ系が多そうだが、石系もあった。石系は研磨に使うのか?
・20年も持つ詰め物は何でできているのか?
・歯が痛くなく削るコツはあるのか?
などなど、道具や技術に興味を持って、歯の事を忘れて道具に見入った次第です。
流石に、歯医者さんに上記を聞くようなことはしませんでしたが・・。
そんな中、ハンドピースにブロワーのような機能が付いている事に気づきました。
木材を削っているとオガクズが作品にまとわりついて、下書線が見えなくなる事があります。
何とか、この機能を自宅でも実現出来ないかと思い、実験してみました。
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試作1号 |
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ハンドピースにチューブを付けてみました。
チューブは、熱帯魚などの飼育に使うポンプに接続するものです。
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チューブの先端は、ビットの先端に合うようにしています。
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チューブは、ハンドピースのコードの中を通るようにしています。
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チューブの元は、エアーコンプレッサに接続されています。
実際に使うときは、エアーの量を絞って使います。
試した訳ではないですが、熱帯魚の飼育などで使われるポンプでも
いけるかもしれません。静穏タイプの大容量タイプなら使えそうな
気がします。(値も張りますが・・)
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こんな風に握って使います。
使い勝手ですが、チューブの先端が邪魔なのと、テープで止めただけなので、
向きがずれて使い難かったです。
オガクズを飛ばす能力は確かにあって、その辺はストレスなく使えました。
荒削りの時は、いつも防塵マスクを着用して作業するのですが、
マスクを取って、オガクズに息を吹きかける必要がないので、
楽に作業できそうです。
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試作2号 |
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チューブが邪魔なので、ハンドピース部分にはアルミパイプを付けてみました。
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パイプの先端は、ビットの先端に合わせて曲げています。
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パイプとチューブの接合は、パイプ側にテープを巻いて、
チューブの大きさに合うように調整しています。
で、肝心な使い勝手ですが、先端が細いアルミパイプになったので、
邪魔感は減りました。ただ、ビット交換がやり難いのと、パイプの向きが
変わりやすく、どうも使い勝手悪いです。
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試作3号 |
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試作2号では、ハンドピース全体にアルミパイプを通したのが悪かったので、
先端だけパイプにする事にしました。
今度は強度の事を考えて、シンチュウパイプを使っています。
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エポキシパテでハンドピースの先端に、シンチュウパイプを固定します。
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シンチュウパイプの先端は、ビットの先端を向くように調整しています。
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チューブは取り外し可能です。
で、使い勝手ですが、まだ大型の荒削りを行った事がないので、正確な
コメントはできないのですが、テスト削りではいい感じです。
パイプがしっかり固定されていますし、ビット交換もスムーズです。
ブロワーが必要ない時はチューブをはずしておけばいいです。
難点はエアーのON/OFFとハンドピースのON/OFFが連動していない事でしょうか。
一応使えるレベルなので、当面この状態で試験運用してみようと思います。
にしても、自作するのが面倒なので、グラインダー屋さんで、こんなオプション
パーツを販売してくれるといいのですが・・・。
どうせなら、グラインダーのモーターに羽を付けて、その羽が起こす風力で
オガクズを飛ばしてくれると、無駄が無くて凄くいいのですが・・・。
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