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 製作背景、製作目的

 「いきものアート体験教室」とういう教室が「日本野鳥の会」の主催でありました。
 講師はあの「チョコエッグ」の原型を作ったことで有名な「松村しのぶ」氏です。
 松村氏は日本だけでなく世界的に有名な方で、最近は旭山動物園のフィギュアも作っていたと思います。
 動物だけでなく、ロボットなども手がけていたと思います。(EVA初号機とか、生物チックで好きです)
 
 これは、参加するしかないと思い参加しました。
 実際参加してみると、ほとんどが家族連れで、賑やか&和やかな雰囲気でした。
 以下は、開催概要です。
 
 日時   : 2010/03/06 10:00〜15:00
 場所   : 東京都日野市「鳥と緑の日野センター(WING)」
 参加人数 : 20人(ほとんど家族連れ)
 参加費  : 無料
 対象工程 : 造形〜色塗り
 材料   : 石粉粘土(ラドール)
 絵具   : アクリル絵具
 鳥種   : エナガ、メジロ、シジュウカラから選択
 
 ちなみに、松村氏は日野在住だそうです。
 
 当日のスケジュール
 
 10:00〜12:00 : 造形
 12:00〜13:00 : 昼休み(乾燥)
 13:00〜15:30 : 色塗り
 
 乾燥はダンボールに穴をあけ、そこにドライヤ&布団乾燥機を差込み、
 作品を入れ、密閉して行ってました。1時間程度の乾燥ですが、
 割れることもなく、色塗り位はできるようになりました。
 また、今回使った石粉粘土(ラドール)は、初めて使いましたが、
 ベタつくこともなく、かなり使い勝手がよかったです。
 
 ただ、体験教室は実質4時間で、流石に時間が短く、復習もしたいので、
 翌日作り直しました。以下は、作り直した時の仕様です。
 
 対象工程 : 造形のみ
 材料   : 油粘土(レオン粘土 中間硬度)
 鳥種   : シジュウカラ
 
 油粘土なので、固まることはないです。
 油粘土でも、今回はレオン粘土を使いました。
 この粘土は、普通の油粘土より硬度が高く、大変造形しやすいです。
 中間硬度か、高硬度の物を1つ持っていると、何かと便利です。
 

 いきなりですが、体験教室の時の完成作品です。
 みなさん、思い思いに、いい作品を作っています。
 
 今回作ったのは、シジュウカラ、メジロ、エナガの3種類です。
 ちなみに、自分の作品は一番後ろの列、左から3番目のシジュウカラです。
 時間がなかったとはいえ、かなりはずかしい出来です・・・
 

 で、作り直しです。
 はじめに、針金で写真のような心材を用意します。
 尾羽がかなり長くて、恐竜っぽいです。(カッコイイ)
 

 心材に、頭と胴体を粘土を貼り付けます。
 この時、胴体は、あまり幅をつけないほうが良さそうです。
 

 頭の先端にでている、心材を中心に、
 クチバシを造形します。
 

 オデコから頭頂部にかけて、粘土を盛ります。
 後で思ったのですが、写真より盛っておいた方が良さそうです。
 

 目の下、上クチバシの延長線で、頬を盛ります。
 体験教室では、下クチバシの延長線も一緒に盛ってました。

 下クチバシの延長線を盛ります。
 体験教室では、この後、目を入れてましたが、今回は、目はパスします。
 ただし、目の位置はしっかり認識しておいたほうが良さそうです。
 

 喉と首を盛ります。
 首の部分は、完成すると見えなくなりますが、
 このように内部構造を意識して盛っていくようです。
 

 尾羽を盛ります。
 体験教室では、頭、胴体、翼、尾羽の順で盛ってましたが、
 尾羽は翼の下に来るので、今回は先に盛ることにしました。
 この盛り方だと、尾羽は盛りやすいですが、
 後から不用意に触って、壊してしまう危険性もあります。
 

 内部構造にこだわるということで、ソノウを盛ります。
 スズメ目は喉(首)の所に、ソノウがあります。
 

 胴体の筋肉を盛ります。
 鳥は、胸の筋肉が発達しているので、その辺を意識しました。
 腰は筋肉を少なくしておきます。

 針金で足の芯を作ります。
 体験教室では、足は作らなかったのですが、
 何だか、内部構造にこだわってみたくなったので、
 足も作ることにしました。

 先ほど作った芯を写真のように固定します。
 

 足の筋肉を盛ります。
 フショは盛らないでおきます。
 それにしても、何だか小型肉食恐竜っぽいです。

 下尾筒を盛ります。
 こう見ると、下尾筒の羽って長いです。

 上尾筒を盛ります。

 腹の羽を盛ります。(胸は最後に盛る)
 後で思ったのですが、盛りすぎました・・

 翼(腕)の骨格を盛ります。
 心材でしっかり作ってもよかったのですが、
 それほど、強度が必要な訳でもないので、粘土だけで作ってます。
 

 初列風切羽の固まりを盛ります。
 

 次列風切羽の固まりを盛ります。
 

 三列風切羽の固まりを盛ります。
 後で思ったのですが、三列風切羽は盛る必要なさそうです。
 調子にのりすぎました・・・

 雨覆羽をまとめて盛ります。
 この時点で、幅が出すぎているようなら、調整します。
 

 背中、肩の羽を盛ります。
 

 頭と背中をつなげます。
 頭が小さすぎたので、頭は全体に追加盛りしています。

 胸の羽を盛ります。
 これで、完成です。
 ついでに、フショと指も簡単に盛ってみました。
 
 ここまで、大体2時間半でした。
 短時間で作った割には、まあまあの出来だと思います。
 ちょっと太めになりましたが・・・初心者なので、こんなものでしょう
 
 松村氏も言ってましたが、「作り上げることが大事」なようです。
 その意味では、粘土は手軽でいいです。
 実際の製作は、石粉粘土やスカルピーを使うのだと思いますが、
 ある程度作ったら、硬化させて次を盛る。の繰り返しのようです。
 ・・・結構大変かもしれません。
 
 また、粘土を盛るときは「いっぺんに盛らずに、パーツ、パーツを分けて
 盛るように。」ということです。初心者は盛りすぎて、収集が付かなく
 なりがちのようです。
 
 パーツ、パーツを分けて盛るには、ある程度、対象物の構造が分かって
 いないと駄目のようです。今回の体験教室でも、簡単な鳥の構造説明を
 してました。特に、恐竜との共通点の説明は興味深かったです。
 
 最後に「フィギュアはフィーリングが大事」とのことです。
 羽の枚数や、細かい長さを気にするより、雰囲気を出すことが大事との
 ことです。最近のバードカービングは、ちょっと細かい事にこだわり
 すぎているのかもしれません。あまり細かい事にこだわりすぎると、
 作りやすい簡単なポーズになり、つまらない作品になりがちです。
 
 なので、今回の作品は図面は見ずに、自分の感覚だけで作りました。
 粘土という素材もあり、思うように作れて楽しかったです。
 そういえば、この「楽しく作る」というのも大事と言ってました。
 
 今回の体験教室は、色々勉強になりました。
 特に「フィーリングが大事」というのは、本当にそう思います。
 次の作品は、フィーリングを大事にして、粘土でしっかり習作を作ろう
 と思います。もしくは、バードクレイにしようと思います。
 
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