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 製作背景、製作目的

 本格的なバードカービングだけでは疲れるので、息抜きがてら羽ブローチを作りました。
 羽ブローチ作りは、削りやバーニングの練習になるので、よくやります。
 手軽に作れる上、プレゼント用にもなって重宝します。
 
 そんな羽ブローチについて、今回は、いつもより細かく案内してみます。
 なお、今回の製作手順は、あくまで参考です。
 絶対この手順でないと作れないというわけではありません。
 
 なお、いくつか専門用語がでてきますが、「バードカービングの作り方」で解説していますので、
 分からない場合は、そちらを参照してください。
 

 今回の羽ブローチは、コガモの次列風切羽(S8)を作ることにします。
 緑の金属光沢が綺麗な、翼鏡が特徴的な羽で、大きさも手頃です。
 
 「文一総合出版社」から出版されている、「羽原寸大写真図鑑」から、
 コガモのS8をトレーシングペーパーを用いて、トレースします。
 トレース後は、切り取っておきます。

 厚さ10mmの板に、トレースした型紙をなぞり転写します。
 このやり方だと、型紙より若干大きくなりますが、
 保険ということで、かまわないです。
 
 ちなみに、今回はエゴノキの木っ端を使いました。

 いつもは、バンドソーでカットするのですが、
 今回は、糸鋸でカットしました。
 
 万力で、材料をしっかり固定し、カットしていきます。
 これくらいの材料ならば、糸鋸でカットしても全然苦にならないです。

 カットした結果です。
 若干ずれましたが、これからガンガン削っていくので、
 気にすることはないです。

 内弁側が最高点になるよう、外弁側を斜めにカットするように削ります。
 このとき、羽軸や、羽の反りは意識する必要ありません。
 とにかく、斜めのカットすることだけ考えて削ります。
 外弁側のエッジは、完全に尖らせるつもりで削ります。

 内弁側に、反りのカーブを下書きし、削ります。
 このとき、羽軸は意識する必要ありません。
 反りの最高点は削らないように注意します。最高点を削ってしまうと、
 羽が薄くなってしまい、強度面や、再現面で問題が発生します。
 
 今回は、次列風切羽なので、このような反りをいれますが、
 尾羽の場合は、今回のような反りは入れないようにします。

 鳥の羽の断面は、写真のような形になっています。
 内弁側の最高点は触らないようし、羽の中心部分だけを削ります。
 
 これで、ノッペラとした印象から、羽らしい印象になります。
 この時も、羽軸は意識する必要ありません。
 
 

 羽軸、羽柄を下書きします。
 コガモの次列風切羽の羽軸は、羽の一番尖った所に向かっていないです。
 やや、外弁側に寄ります。

 羽柄が太すぎると、羽軸出しがやりにくいので、
 まずは、羽柄の幅を下書きに合わせて削ります。

 ピンクストーンや、ダイモンド、ルビーカッターなどを駆使して、
 羽軸を出します。
 
 もし、どうしても難しいようでしたら、バーニングで下書き線を
 なぞってから、削ると削りやすくなります。

 羽柄に近い部分(羽の根元部分)は、深く削ります。
 

 羽柄、羽軸を丸めるようにヤスリをかけます。
 大体、240番位までかけます。
 ここで、しっかりヤスリがけしておかないと、
 バーニングしたときに、毛羽立ったりすることがあります。
 

 内弁側の裏面を削ります。
 基本的に、外弁側の裏側は触らないようにします。
 今回は、ブローチ製作なので、削りすぎて強度を落とさないようにします。
 また、ブローチのピンを接着するところは、平らに仕上げておきます。
 
 ここまでの手順は、上面を仕上げてから、裏面を加工していますが、
 これは、上面が失敗しても、裏面で調整できるようするためです。

 羽枝の向きを下書きします。
 目安なので、大体でいいです。
 

 羽枝をバーニングします。
 羽柄に近い、羽枝の割れは、バーニングの刃を突き立てるようにして
 焼いておきます。
 
 バーニング後、ラッカー50+ラッカー薄め液50で、裏も表も全部塗ります。
 裏を塗る理由は、防水のためです。

 割り箸に両面テープを付けて、指示棒にします。
 その後、表面にジェッソを塗ります。
 
 ジェッソは筆塗りでも構いませんが、今回はエアブラシで噴いています。
 4回程噴きましたが、真っ白にはなりませんでした。
 しかし、コガモの羽は白ではないので、大体で構わないです。

 内弁側を中心にローアンバーを塗っていきます。
 緑の部分と、羽軸は基本的に残します。
 また、根元の方は白っぽくしておきます。
 
 ボカシ塗りは得意でないので、水で滅茶苦茶薄めた絵具をなんども重ね塗り
 して、グラデーションを表現しています。

 ニンバスグレイで、羽柄の空洞を表現します。
 羽柄の中は空洞になっており、それが影で見えます。
 その影をニンバスグレイで表現します。

 アクア45+カドニウムイエローライト45+ウルトラマリンブルー10
 の色を作り、翼鏡部分を塗ります。
 
 このままだと、緑が強すぎるので、水で薄めたローアンバーを軽く
 上から塗っておきます。

 先程作った緑に、イリデスント・パウダーの緑を加えて塗ります。
 これで、金属光沢を出すことができます。
 このままだと、緑が強すぎるので、水で薄めたローアンバーを
 軽く上から塗っておきます。
 
 この後、ポリウレタンバーニッシュで羽柄、羽軸のツヤを出し、
 必要であれば、羽弁のツヤも出します。

 裏面にピンを接着します。
 ピンの向きは、針先が下にくるようにします。
 
 これで完成です。
 
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