トップバードクレイの部屋製作記録(番外編)柔らかい素材でお遊び >カネライトフォームで文鳥(その1)羽出しまで


 製作背景

 コルクでのスズメフクロウ製作が思った以上に上手くいったので、今度は別の柔らかい素材
 で製作してみたくなりました。と言うか、花粉症が絶賛発症中で、全然作業に集中できない
 です。やはりこの時期は製作に向いていないです。(仕事で寝ていないのもあります)
 
 今回は、前に玉砕した発砲スチロールで製作してみようと思います。前は単純な発泡スチロ
 ールを使ったのですが、もっと目の細かいスチロール材を使う事にします。で、今回実験材
 として使うのは「カネライトフォーム」という材料です。たまたま家に転がっていたので、
 在庫処分的な意味合いもあるのですが、発泡スチロールより目が細かくて、こちらの方が加
 工向きです。本当はもっとメジャーな「スタイロフォーム」という材料を使いたかったので
 すが、買いに行くのが面倒なので、ひとまずカネライトフォームで行きます。
 
 製作する鳥は色塗りが面倒でない「白文鳥」とします。技術目標は以下です。それにしても、
 最近脱線ばかりしています。本格的なカービング作品が完成するのは何時の事やら・・。
 
 ・カネライトフォームの加工精度検証
 ・表面処理の手法検証
 ・可動式足の検証
 
 製作過程

 まずはカネライトフォームを適当な形にカットします。
 今回は図面の入手が出来なかった上に、写真資料もあまり揃えられ
 なかったです。文鳥ならばペットで飼っている人が大勢いると思う
 ので、ネットで簡単に大きさが分かる資料があると思ったのですが、
 残念ながら発見できなかったです。ペットショップに見に行くのも
 面倒なので、かなり適当です。
 とは言え、子供の頃に文鳥は飼った事があるので、何となく雰囲気
 は分かります。雰囲気だけで強引に推し進めようと思います。
 

 頭と体を分けたところです。
 主力カッターは、タイフーンバーとルビーがですが、柔らかい素材
 なので、ちょっと力を入れすぎると直ぐに削りすぎてしまいます。
 ただ、力加減を間違わなければサクサク削れるので気持ちいいです。
 
 

 角削り完了時の写真です。
 図面も習作も無いので、ある意味、気楽に削れました。
 この素材は基本的に発泡スチロールの一種なので、木の様に木目や
 方向はないと思っていたのですが、実際は方向がありました。
 逆方向に削ると、ガタガタでササクレだって上手く削れないです。
 サクサク削れるのはいいのですが、結構この方向性特性は致命的か
 もしれないです。
 

 丸削り完了時の写真です。
 表面のササクレが気になりますが、まあまあの出来だと思います。
 嘴は別パーツにしようと思っていたのですが、この材料の精度が
 どれほどか試すために、あえて削り込んでみました。やはり、表
 面のササクレが気になりますが、何とか削れました。
 
 尾羽は強度を考えて厚めにしていますが、多少曲げる事もできる
 素材なので、これ位の厚みがあれば十分です。
 
 右翼が逆目になってしまい、上手く削れなかったです。こればかり
 はどうにもならないです。スタイロフォームでも同じなのか、今度
 試してみたいと思います。
 
 製作時の集塵ですが、石粉粘土を削っている時の様な細かい粉は
 でません。ただ、静電気を帯びた削りカスがでるので、集塵機は
 必須です。
 
 羽出し、目入れまで完成

 羽出しは、木材が相手の時のように削り出してはいません。皮加工に使うモデラを使い、刻み
 付けるように羽出ししています。柔らかい素材なので、これでもそこそこ羽らしく表現する事
 が可能です。羽軸も同じ手法で表現する事ができます。時間短縮になって大変良かったです。
 
 バーニングは材料が溶けて無理でした。テクスチャリングも材料が潰れるばかりで綺麗に入ら
 なかったです。やはりこの辺の精度は木材には適わないようです。
 
 目はいつも通りアクリル板から削りだした目をウッドパテで入れています。アイリングはグリ
 ーンスタッフ(エポキシパテ)で表現しようと思ったのですが、下が柔らかいせいか、毛羽立っ
 ているせいか、上手く定着できなかったので、ウッドパテで表現しています。
 
 ここまでの製作はそれ程時間かかっていないです。羽出しが滅茶苦茶楽なのは実にありがたい
 ですが、材料の逆目には苦労させられました。ヤスリやストーン系ビットと磨いても、表面の
 毛羽立ちは解消できなかったです。材料がもの凄く軽いので、扱いは楽でした。
 次回は、これに付ける足を製作します。
 


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