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製作背景 | |
この所ホトトギスの製作ばかりで疲れてきたので、息抜きがてら粘土で遊んでみようと思います。 今回はスカルピーを使って、アカスズメフロウを作ってみます。 サイズはガチャポン(ガチャガチャ、ガシャポン)に入るサイズとします。 先日、材料やら道具やらを某カメラ屋で仕入れてきたのですが、そこで300円のガチャポンをやって、 カメのミニチュアフィギュアを入手しました。(自分にとって、カメラ屋はホビーショップです・・・) このフィギュアが大変良く出来ていて、300円でこれだけの物ができる日本のフィギュアはスゲーなと 関心した次第です。ただ、この手のフィギュアで生物系だけを見ていくと、魚類、両生類、爬虫類は 多くあるのですが、鳥類は少ないです。 また鳥類フィギュアがあっても、バードカービング屋からすると、どうも完成度が・・・な出来で、 今まで触手がそちらに向きませんでした。 で、無いものは作らねばならんと思い、ガチャガチャ用の鳥フィギュアを作ってみることにします。 本物のフィギュアは原型師さんが原型を作って、それを型取りして量産するのですが、今回は原型のみ 作ってみる事にします。型取りも行いたいのですが、あれは結構ムズっぽいので、今回はひとまずパス します。 作るにしても、何かしらの基準がないと作りにくいので、独断と偏見でガチャガチャ用フィギュアに求 められると思われる仕様をまとめました。 @カプセル内に収まること カプセルはいくつか規格があります。今回は65mmカプセルに収まるようにします。 A型取りが出来ること あまり無茶な形だと型取りが難しいと思われます。無茶な形の場合、パーツの組合わせも予め考え ておく必要があると思います。 B壊れ難いこと ケースに入れて飾るような代物ではないので、あんまり簡単に壊れるのは駄目だと思います。 鳥の場合、足、翼、嘴など壊れやすい箇所が多数あり、この条件が一番厳しいように思います。 案外これが鳥フィギュアの少ない理由かもしれません。(それとも単純に鳥が人気ないだけ?) 強度をもたせようと太くすればオーバースケールになって見栄えがしないですし、かといって金属 パーツは予算や技術の関係で駄目だと思います。 C樹脂だけで構成されること Bに関連して、完成品は樹脂だけで構成されなくてはならないです。足の針金は勿論、目もガラス アイを使えないです。 D見栄えのするポーズであること サイズはどうしても小さくなりますが、商売的に小さいなりに迫力がある見栄えの良いポーズにす る必要があります。ただ、特徴はしっかり掴んでおく必要があります。 E人気がある鳥であること 商売を考えると人気がある鳥が良いように思います。が、最近はマニアもいますので、マイナーな 鳥の方が受けるかもしれません。 と、長々と前置きを書きましたが、@〜Cは必須条件だと思います。DEは主観が入るので微妙な 所です。今回は上記条件を満たして作りやすい鳥と言う事でアカスズメフクロウにしました。 |
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試作1号&2号 | |
フィギュアの原型で一般的に使われている材料は[石粉粘土]と[樹脂 粘土]です。石粉粘土は乾燥後に細かい加工ができていいのですが、 造形がやり難いです。一方、樹脂粘土の[スカルピー]は造形性が良 いです。なので、今回はスカルピーを使いました。 ちなみにスカルピーは幾つか種類がありますが、今回は一番入手しや すい[SuperSculpey]を使っています。 |
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スカルピーの使い方を書いているのでキリがないので割愛しますが、 造形方法は普通の粘土と同じです。練って、盛って、造形して・・・ です。スカルピーは油粘土と同じ感覚で造形できて伸びもいいです。 で、試作1号です。顔がサルです。失敗です。 |
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試作1号はサルフクロウになってしまったので、顔を大幅に改良しま した。鳥らしくはなったのですが、今度はフクロウっぽくない・・・。 でも、何となく感覚は掴めたので、ひとまず焼いてみます。 スカルピーは焼くことで固める事ができます。オーブンで140度10分 程焼きました。取説には130度で10〜20分焼けと書いてありますが、 この辺は大きさなどにも影響されるのでテキトーです。焼くまでは、 油粘土の様に何度も修正が可能です。 |
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焼きあがった作品をグラインダーでちょっとばかし加工してみました。 予想通り細かい加工は出来ないです。綺麗に削れないです。石粉粘土 であれば、結構綺麗に削れるのですが、やっぱりスカは駄目です。 ついでに書いておきますと、スカを削ると白くなって収拾がつかなく なります。この場合エナメル塗料薄め液を筆で塗ってやると改善され ます。これは表面が溶かされるためです。焼いた後の追加盛りも エナメル塗料薄め液を予め塗っておくと食いつきが良くなります。 |
試作3号 | |
試作2号までの経験を踏まえて、試作3号を作ってみました。 フクロウの顔は難しいです。ボウの顔も参考にしたのですが、ミミズクとフクロウはかなり顔つきが 違うようです。スズメフクロウの顔はミミズクに近い顔のようで、額が目の上がかかって目が影にな っています。モリフクロウなどと比べるとかなり違う構造になっています。 スズメフクロウがミミズクに近い顔なのは助かりましたが、それでも結構違うところはあります。何 とか作り上げることができましたが、他の鳥と違ってフクロウ目の顔はそれぞれ特徴があって面白い です。 試作2までは羽の造形を試さなかったのですが、今回は可能な限り試して見ました。それなりに入れる ことができたのですが、あまり細かく入れることはできなかったです。作品の大きさ、腕の良し悪しが 影響されると思いますが、少なくてもこの大きさで羽枝表現は無理そうな気がします。翼、尾はボール 紙を心材にしています。心材に予め焼いておいたスカルピーを使う手もあります。 最初の写真は今回製作のきっかけとなった、リュウキュウヤマガメとのツーショットです。最後の写真 はカプセルに収納したところです。@のカプセルに納まる仕様は満たしていると思います。Aの型取り も多分可能な形です。Bの強度面、Cの材料、Eの人気鳥も満たしていると思います。Dのポーズは、 やや不満な所もありますが、フクロウらしいポーズなので気に入っています。 一応これで習作完成ですが、ひとまず色塗りまでは行いたいと思いますので、まだ完成ではないです。 今回は息抜きになりました。造形は楽しいですね。この位の大きさだと邪魔にならないし、手軽に作れ るのもいいです。他の鳥でも試してみたくなりました。 |
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