トップバードカービングの部屋製作記録スズメフクロウ >37.2号スズメフクロウ塗装(その1)


スズメフクロウの製作記録を紹介しています。
道具や材料、詳細な作り方については「バードカービングの作り方」を参照してください。

 エアブラシテスト

 この所、どうも気合が入らなくて作業が滞っています。と言っても全然作業していないこともないので、
 中途半端ですが、最近の成果を載せておきます。

 下の写真は、エアブラシで色の三原色(赤、青、黄)を塗り重ねたサンプルです。それぞれ以下の順番
 で塗り重ねています。

 写真01       写真02       写真03
  左:黄→青→赤   左:赤→青→黄   左:青→赤→黄
  右:黄→赤→青   右:赤→黄→青   右:青→黄→赤

写真01 写真02 写真03

 エアブラシは薄めに噴いているので、下地色によって色が変わる事が分かります。何度も噴けば下地色
 に関係なく噴いた色になるはずですが、厚塗りするとモールドを壊すので現実的でないです。エアブラ
 シ塗装の場合、下地色の影響を皆無にすることは難しいと思われ、塗り重ねる順番が大事になると思わ
 れます。

 ただ、逆に色を混色しなくても塗り重ねることで目的の色を表現できるとも言えます。
 塗り重ねる順番さえ間違わなければ、ほぼ同じ色を再現できると思われます。(多分)

 以下、その他発見事項や、今回の塗装条件などです。
 
 ・使用した塗料はファレホエアーです。
 ・ファレホの専用シンナーで薄めて塗装しています。
 ・ノーマルファレホを専用シンナーで薄めて塗装すると、目詰まりが起き易いように思います。
 ・ノーマルファレホを水で薄めて塗装した場合は、目詰まりがあまり起きないように思います。
 ・ファレホの専用シンナーを使うと、完全乾燥に時間がかかるように思います。乾燥が不完全だと、
  ベタベタして、指紋が付きやすいので注意が必要です。(水で薄めた場合は、そうでもないです)
 ・ファレホの専用シンナーを使った場合、確かに塗膜が堅牢になったように思います。
 ・塗り重ねる色は、彩度が高い色を使ったほうが無難だと思います。塗り重ねると彩度は下がる事が多
  いので、安易に彩度が低い色は使用しない方が良いと思われます。
 ・白っぽい色(彩度低/明度高)は、白の粒子が大きいせいか、下地色を潰しやすいです。一番下に塗
  るのは良いですが、重ね色で使う場合は注意が必要です。
 ・試し塗装する時は、紙ではなくプラバンを使った方が良いです。紙だと発色が良すぎて良くないです。
 ・試し塗装用のプラバンは1mm程度の厚みがあったほうが良いように思います。
 ・本番塗装の前に、試し塗装で重ねる色と順番をシミュレートしたほうが良いです。

 2号スズメフクロウの塗装シミュレーション
写真04
 2号スズメフクロウの試し塗装です。具体的な塗装手順は本番塗装
 の時に書く予定なので、ここでは省きます。左の方が黄色寄りです
 が、これは色を重ねる時に黄色系の色を1回多く重ねているためで
 す。使っている色自体はどちらも同じです。手順を1つ変えるだけ
 で、これだけの差がでるので、難しいというか、奥が深いです…。
 このサンプルを作るだけで、かなり様々なパターンを試しています。
 
 スズメフクロウの色は個体差が大きいようです。今回の目標色は、
 赤系です。ネットで様々な写真を見たのですが、写り具合や個体差
 でどれが正解なのか分からなかったです。なので、アメリカの野鳥
 図鑑の色を再現しています(左)。ただ、ネット上の写真ではもう
 少し赤っぽいように思えたので、黄分を少し引いたサンプル(右)
 も作っています。
 
 写真は写り加減で色が分かりにくい場合が多いです。また、写真を
 パソコンのモニターで見ている場合、モニターでは再現できても、
 塗装では再現できない色もあります。モニターは光の三原色で表現
 し、塗装は色の三原色で表現しますが、光の三原色の方が表現の幅
 が広いためです。
 
 一見写真の方が正確で良いように思われますが、紙のイラストタイ
 プの図鑑も結構役にたちます。色に悩んだ時は、参考にすると良い
 思います。
 
 2号スズメフクロウのパステル塗装

 本番塗装です。目をマスキングし、プライマーを噴いた後、エアブラシで白を全体に噴いています。
 この時、最初、古いベースホワイトを噴いてみたのですが、テカったり、ムラがあって、どうも良く
 なかったので、ファレホの白で塗りなおしています。
 
 エアブラシで基本塗装を行う前に、パステルで全身の陰影(シャドー)をつけてます。使ったパステ
 ルはヌーベルカレーパステルで、色番号は 142 と 054 です。パステルを適当な紙に擦って粉にし、
 筆で粉を塗っています。エアブラシ技術が高ければ、パステルでなくエアブラシで塗れるのかもしれ
 ませんが、それほど技術力が高くないので、確実なパステルを使用しています。
 
 この後、マスキングをするのですが、その前に、軽くプライマーを噴いてパステルを定着させていま
 す。今回のように、先にシャドーを入れる方法は、エアブラシ塗装ではメジャーな方法のようです。
 各種フィギュアやガンプラなどで良く目にする方法です。また、海外のバードカービング技法書にも
 この方法は頻繁に載っています。もっとも、パステルではなく、エアブラシで塗っていますが…。
 
 どうも気合が入らないので今週はここまでです。次回は、マスキングしてエアブラシで基本塗装でき
 たらと思います。何度もシミュレートしていますが、今回の方法で塗るのは初めてなので失敗するか
 もしれません…。どうも、パステルが薄いような気がします…。
 
 
写真05 写真06 写真07
写真08 写真09 写真10
 おまけ

 塗装作業は、チリやホコリが最大の敵なのですが、うちは鳥が居る関係でその辺の条件が悪いです。
 ボウ(アフリカワシミミズク)は作業部屋に来ても、動かないのであまり問題ないのですが、チハヤ
 (セーカーハヤブサ)は、あまり大人しくしていないので、羽根が飛び散って困ります。
 
 チハヤは作業部屋立ち入り禁止にしたい所ですが、いつも人と一緒にいるので、部屋に来たがります。
 閉め出すと、扉を引っかいて開けようとし、無視すると扉の前で、開けてくれるのを待っていたりし
 ます。それでも無視すると、別の部屋に行くのですが、どうも気に入らないみたいで、今度はこちら
 から声をかけても無視したりします。良く慣れているのは良いのですが、結構面倒なヤツです…。
 写真11,12は作業机の上でくつろぐチハヤです。写真13作業机の周りを歩き回っているチハヤです。
 
写真11 写真12 写真13

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