トップバードクレイの部屋製作記録エナガ >16.レジンキャスト


エナガの製作記録を紹介しています。
道具や材料、詳細な作り方については「バードカービングの作り方」を参照してください。

 レジンキャスト

 正月にエナガさんの製作を少し進めました。
 鋳型作りまで完了したので、今回はポリウレタン樹脂を流してみました。
 


 ひとまず、抜いたエナガさんです。
 いつものように、4mmダークブラウンのガラスアイをマスキングゾルで
 鋳型に貼付けてからキャストしています。
 
 バリは簡単にしか取っていないですが、比較的綺麗に抜けました。
 


 1羽目を抜いた時に少々不具合があったので、鋳型を少し修整してます。
 尾羽の空気穴を増設し湯口を広くしています。
 
 湯口の入口は樹脂が溢れても悲惨な事にならないように、樹脂溜まりを
 設けています。(写真下の部分)樹脂をケチって注入すると本体に気泡
 が入りやすくなるので、思い切って注入できるように工夫しました。
 これだと気泡は樹脂溜まりにできます。(多分)
 


 台と枝も抜いてみました。
 枝は樹脂にダークブラウンのエナメル塗料を混ぜて着色しています。
 
 


 台はブラックのエナメル塗料を混ぜてもグレーにしかならないので、
 写真のような専用のトナーを混ぜています。
 専用のトナーだけあって、割合しっかりとした黒になりました。
 ただ、このトナーを使うときは、よーく混ぜた方が良いです。
 混ぜ方が甘いとムラができ、硬化不良も起こしやすくなります。
 


 ルリビタキを抜いた時は、樹脂を流している最中に硬化して何度も
 失敗しました。その時は湯口や空気穴を広げて対応したのですが、
 その分、大きなバリが発生し抜いた後の加工が大変でした。
 
 途中硬化の対策として、今回は百均で買ったプラスチックシリンジ
 を使って強制注入してみました。
 
 実験結果は大変良好でした。多少無理しているので細かい気泡は
 多くなっているかもしれませんが、見た目は分からなかったです。
 この方法だと、湯口や空気穴を小さくする事ができるので、作品
 へのダメージが少なくてすみます。
 
 使用したプラスチックシリンジは、樹脂が硬化した後、針などで
 突けば綺麗になります。百均のシリンジは20mlなので、エナガを
 抜くには3回程注入する必要があります。
 
 シリンジの大きさですが、感覚的には大きなシリンジより、この
 位の大きさシリンジの方が使いやすいように思います。大きな
 シリンジでも試してみたのですが、注入に力が必要なので、取り回
 しが難しかったです。ただ、大きいシリンジは1回で注入できるの
 で時間は短縮できます。
 
 それと注意点として、強制注入できるからと、あまり湯口を小さく
 すると、そこに圧力がかかり過ぎて、樹脂が型から漏れたりします。
 今回、調子にのって圧力をかけていたら樹脂が漏れて、慌てて型を
 締めたら、更に湯口が小さくなり、流しきれなかった事があります。
 
 この方法でキャストする場合は、圧力のかかる所を計算して、
 シリコン型を作る時に厚さを十分確保しておいた方が良いです。
 それと、キャストする時、型を締めすぎると湯口が潰れるので、
 締めすぎないように注意する必要があります。
 

 とまあ、エナガさんのレジンキャストの目処がひとまずつきました。
 今回で3回目のレジンキャストでしたが、大分ノウハウが蓄積されてきました。
 次回は心理的なハードルがもっと下がりそうです。
 ただ、どうもあの臭いだけは駄目です。
 活性炭マスクを使っても酔います。
 あと、この作業をすると部屋中がツルツルになります。
 多分、揮発したシリコンやレジンが原因なのでしょうが、
 ボウやチハヤが滑って歩き難そうにしています。
 ワンフェスまで時間が無いですが、エナガさんの出展は目処がついて良かったです。
 

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