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ルリビタキの製作記録を紹介しています。
道具や材料、詳細な作り方については「バードカービングの作り方」を参照してください。

 量産

 量産体制に入ってから2週間たちましたが、ようやく量産が完了しました。ペイントまで行きたかっ
 たのですが、思った以上に量産に時間がかかりました。量産作業は同じ作業の繰り返しで、正直言っ
 て飽きます。その上、作業内容は集中力が必要な細かい作業で、硬化などの待ち時間もあって、かな
 り精神面で削られました…。どうも、この作業は苦手です…。
 
 今回は全部で17体キャストしました。元々、10体程度抜くつもりだったのですが、古いレジンを全部
 使い切りたかったので最終的に17体となりました。その内3体に問題が発生し、1体は致命的でした。
 3体の問題の内訳は、尾羽のモールド劣化で、致命的な1体は、キャスト中のレジンアイ剥離です。
 以下、今回の量産で気づいた点や反省点をまとめたものです。
 
 ■ 毎回、離型剤を噴いたためか、シリコーン型の目だった劣化はみられない。まだ、10体以上は抜
   けそうである。
 
 ■ シリコーン型を作る時は、原型がどちらかに張り付くように作った方が良い。そうしておくと、
   キャスト品が取り出しやすくなる。キャスト品を取り出す時、中途半端に両方の型に張り付いて
   しまうと取り出し難くなり、場合によってはキャスト品や型の破損の原因となる。
 
 ■ 今回はシリンジで強制注入せずに、先端をカットしたシリンジを湯口に設置して高さを稼いで流
   したが、かなり良い方法だと思う。ただ、この場合、シリコーン型の容量より多く流してしまえ
   るので、流す量は注意が必要である。流す量がピッタリでも良いのだが、それだと気泡が流れ切
   れない事があるので、空気穴のレジン溜りを大きく設置した方が良いと思われる。レジンを流す
   時、気泡を抜くために、型を傾けたりするが、レジンがこぼれると面倒なので、レジン溜りは大
   きい方が良い。また、レジンが溢れても大丈夫なように、シリンジでレジンを吸引できるように
   用意しておいた方が良い。
 
 ■ 今回はベビーパウダーが役にたったのか、いつも苦労する気泡問題に悩まされずにすんだ。ただ、
   キャスト品の表面が何となく脆い感じがする。シリンジでの強制注入は気泡が入りやすくなるが、
   今回の方法ならベビーパウダーが不要なのかもしれない。しかし、ベビーパウダーのおかげか、
   型の劣化は抑えられてるような気がする。また、キャスト品の表面に離型剤があまり残らないみ
   たいで、洗浄が楽になったような気がする。恐らく、色乗りも良くなっていると思われる。
   今度キャストする時に検証してみようと思う。
 
 ■ 今回のキャスト品の重さは約85gであるが、レジンは115g程度必要だった、30g程度がゲートなど
   に使われている計算になる。25%位が無駄になっている計算ので、もう少し改善したい。
 
 ■ ファレホで虹彩を塗ったレジンアイは、キャスト時に若干溶けだすようである。プライマーが効
   いているせいか、虹彩自体には影響ないが、レジンに色が付いてしまうので、レジンアイの裏面
   をしっかりマスキングするなどして対策が必要である。
 
 ■ 肉眼では気づかなかったが、拡大鏡で確認したところ、最後にキャストした3体の尾羽がガタガタ
   になった。以下の原因が考えられる。
 
   @ シリコーン型の劣化
    ⇒シリコーン型の劣化は確認できなかったので違うはず。
 
   A ベビーパウダーの塗りすぎ
    ⇒これが原因なら、最初の方にキャストした物でも発生していてもいいはずだが、実際は発生
     していないことから考え難い。ただ、尾羽は下の方に位置するので、ベビーパウダーの沈殿
     が原因の可能性もある。
 
   B レジンの劣化
    ⇒1年以上前に購入した古いレジンを使ったので可能性はある。レジンの沈殿物を除去するため
     B液は、茶こしでろ過して使っていたのだが、ろ過が足りなかったのかかもしれない。尾羽だ
     け異常が発生していることから、何らかの沈殿物が原因の可能性は高い。
 
   全部キャストして、拡大鏡で検品している時に見つけたので発見が遅れた。今となっては原因不明
   だが、今度キャストする時は、1回1回拡大鏡で検品しようと思う。また、シリンジで強制注入して
   いないので、気泡は発生し難くなっているはずなので、今度キャストする時は一度ベビーパウダー
   無しで行ってみようと思う。また、レジンのろ過も強化してみようと思う。
 
 以上です。今回、17体も無駄に抜きましたが、今度のワンフェスでガレージキットとして販売する予
 定です。大量の不良在庫を抱え込みそうですが、今回は重さが軽いし、場所もとらないので良しとし
 ます…。
 
 来週から本格的なペイント作業です。ガレージキットの見本用に最低3体は塗ろうかと思っています。
 ただ、ペイントは苦手なのでどうなることやら…。早く新作にとりかかりたい…。
 

写真01

 量産品の山です。

 古いレジンを使い切りたかったので多く量産しましたが、こんなに
 量産しても…。不良在庫を大量に抱え込むことになりそうです。
 

写真02

 ガレージキットは、多分この状態で販売することになると思います。
 本体は、ゲート処理、バリ取りまで済んでいて、直ぐにでも色塗り
 開始出来る状態になっています。
 
 足はゲートに付いた状態なので、バリ取りや、組み立てが必要にな
 ります。どちらも、ポリデントでの洗浄は完了しています。
 
 

写真03

 今回は、ボルト固定にしたおかげで、パーティングラインは大して入
 らなかったのですが、それでも若干は入ります。
 
 ヤスリビットでパーティングラインを削り取って、グリーンストーン
 でテクスチャリングしています。テクスチャリングは、中速の正回転
 で入れています。
 
 尾羽のゲートはピンクストーンで削って、超音波カッターで羽枝入れ
 しています。
 問題箇所

写真04

 レジンアイの塗料が溶けだしています。
 レジンアイの虹彩には影響していないですが、レジンに色が付くのは
 あまり良くないです。
 

写真05

 レジンアイがキャスト中に剥離しました。
 右目が凹んでいます。
 
 

写真06
写真07

 尾羽がガタガタになりました。
 写真06は問題ない例で、写真07は問題例です。
 
 多分、レジンの劣化が原因なのだと思います。
 致命的ではないのですが、気になります。
 ちなみに、尾羽以外は問題ないです。
 
 
 

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