トップバードクレイの部屋製作記録ブンチョウW >16.4羽完成(WBC、樹脂)


ブンチョウの製作記録を紹介しています。
道具や材料、詳細な作り方については「バードカービングの作り方」を参照してください。

 今年もよろしくお願いします

 文鳥さんの製作とは直接関係はないのですが、今年もよろしくお願いします。
 正月休みは、サクっと文鳥さんを仕上げて、次の作品に取り掛かろうと思ったのですが、予想外に苦戦した
 ので文鳥さんの製作しかできなかったです。それでも、休暇中は毎日製作&ボウの散歩で充実していました。
 
 レジンキャストの染色実験


 文鳥本体の製作の前に、樹脂で台を試作してみました。
 A液(透明な方)50gに2gのエナメル塗料(ピンク)を混ぜてキャスト
 したところ左の写真のようになりました。硬化不良もおこさず、塗料
 の色とほぼ同じ色になりました。
 
 ちょっとピンクが強すぎて、結局この台はボツになったのですが、
 エナメル塗料を混ぜることで染色できることが確認できました。
 
 失敗したレジンキャスト


 いつもアイボリーのポリウレタン樹脂でキャストしているのですが、
 白のポリウレタン樹脂でキャストしてみたところ、左の写真の様に
 失敗しました。アイボリーの硬化開始時間は3分なのですが、白は
 2分なので、焦ってA液とB液をよくかき混ぜずにキャストしてしま
 い、このような結果になってしまいました。
 
 頭の部分が透明になっていますが、一応は硬化しています。これは
 これで綺麗なのですが、尾羽がボロボロなのでボツとしました。
 
 レジンキャストの修整


 キャストのやり方が悪くて、大きな気泡が入ってしまったところは、
 エレガントクレイで埋めてみました。クレイ乾燥後ラッカーを塗って
 目止めしています。ちなみに、ラッカーを軽く塗るぐらいならば、
 樹脂は溶けないみたいです。(エナメル系の塗料はヤバイかも)
 
 
 アクリルアイの製作


 1羽はシナモン仕様にするので、目の色を変えました。ピンボケ写真
 ですが、下の赤っぽいのがシナモン用です。瞳孔はトランスマゼンダ
 とバーントアンバーを1対1で混ぜた色を、虹彩はトランスマゼンダ
 とバーントシェナーを1対1で混ぜた色で塗っています。
 
 レジンキャスト目の穴あけ


 本体側はアイリングを残して、目の穴を削り込んでいます。この時
 内側の空洞は大きめに削っておきます。アクリルアイは斜めから差込む
 ようにして突っ込みます。
 
 レジンキャスト剥離剤洗浄


 レジンキャストはキャスト時の剥離剤が表面に付着しているので、これ
 を洗浄します。今回は写真の様な専用の洗浄剤を使いましたが、多分
 クレンザー(窓拭き用など)と中性洗剤(食器用)で洗浄するだけでも良い
 のではないかと思います。
 
 プライマー


 ネットとかの情報を見ると、レジンキャストは基本的に塗装し難い素材
 のようです。なので剥離剤を洗浄した後に、プライマーを塗るのが基本
 のようです。で、写真の様なプラスチック用のプライマーを噴きました。
 ついでに、WBC(ウッドバードカービング)については、ベースホワイト
 を噴いてみました。
 
 マスキングコート


 WBCでベースホワイトを噴く前に、目の部分はマスキングしておきました。
 左の写真の溶剤は、筆で自由に塗ることができ、乾くとビニールのように
 なります。筆は水洗いでOKです。
 白文鳥完成写真

 種類:白文鳥
 材料:ポリウレタン樹脂
 塗料:羽毛部分は無塗装、足、クチバシ、アイリングはアクリル絵具
 目 :アクリルアイ
 
 白文鳥は、羽毛部分の色は塗っていないです。(表面保護の意味でプライマーだけ噴いています)
 素材の色がそのままなので、白の発色が自然な感じに仕上がりました。手間もかからないので、
 実に助かりました。
 
 並文鳥完成写真

 種類:並文鳥
 材料:ポリウレタン樹脂
 塗料:アクリル絵具にオールパーパスシーラをプラス
 目 :アクリルアイ
 
 並文鳥の色塗りは滅茶苦茶苦戦しました。プライマー塗っているので、最初は普通に水で薄めたアクリル絵具
 で塗ってみたのですが、筆ムラだらけで全然色がのらず。次にアクリル絵具をアクリル塗料薄め液で薄めて塗
 ってみたのですが、水で薄めた時よりかはマシでしたが、筆ムラだらけでボツに。ここまでで結構表面が荒れ
 てきたので、ジェッソとKTシーラーを塗ってリセット。(かなりモールドが消えました・・・)
 
 素直に、アクリル絵具をオールパーパスシーラを足した絵具で塗って、なんとか物になりました。が、それで
 も筆ムラが発生して、厚塗り=モールド消え状態になり、オールパーパスシーラを足した関係でかなり、テカ
 りました。オールパーパスシーラを混ぜると、確かに色のりは良くなるのですが、テカるのが問題です。
 また、筆塗りで、色の定着率が悪い素材だとどうしても筆ムラができてしまいます。本当はエアブラシ塗装を
 すれば良いのでしょが、エアブラシ塗装は苦手なもんで、困った事になりました。ちなみに、このピンチは、
 1月1日の夜中でした。(正月から何してんだか・・・)
 
 塗装方法変更(パステル塗装)


 並文鳥の次は、淡い色合いのシナモン文鳥を塗ろうと思っていたのです
 が、アクリル絵具で厚塗りになるのは避けたかったので、思い切って
 全然別の方法で塗る事にしました。
 
 筆塗りだとどうしても筆ムラが発生するので、パステルで塗る事にし
 ました。パステルを紙で擦って、粉になったパステルを綿棒につけて
 塗ります。よくプラモデルのウエザリングで使われる手法です。
 
 
 シナモン文鳥完成写真

 種類:シナモン文鳥
 材料:ポリウレタン樹脂
 塗料:羽毛部分はパステル&プライマー
    足、クチバシ、アイリングはアクリル絵具
 目 :アクリルアイ
 
 羽毛部分をパステルで塗ったシナモン文鳥です。パステルだけだと直ぐに剥がれてしまいますし、重ね塗り
 ができないので、一度塗ったらプライマーを噴いて次を塗るようにしました。塗っては噴いてを3回程行い
 ました。
 
 パステル独特の柔らかい感じに仕上がりました。また、モールドも全然消えずにすみました。その上、塗装
 時間は凄く短くすみました。並文鳥の時は半泣き状態でしたが、シナモン文鳥は楽々でした。まあ、プライ
 マーを3回も噴くので、乾燥時間が少々かかりましたが大した問題でないです。色の定着力も問題なしです。
 
 並文鳥完成写真

 種類:並文鳥
 材料:木材(チュペロ)
 塗料:羽毛部分はパステル&プライマー
    足、クチバシ、アイリングはアクリル絵具
 目 :ガラスアイ
 
 シナモン文鳥のパステル塗装が上手くいったので、並文鳥をリベンジしてみました。今回は材料が木材なの
 で、普通にアクリル絵具で塗っても良かったのですが、実験の意味もあります。
 
 で、結果ですが、こちらも中々の完成度に仕上がったと思います。全体に色が少し薄いですが、まあ自然な
 感じだと思います。むしろ前の方が濃すぎました。本当は桜文鳥仕様にしたかったのですが、白い桜模様を
 パステルだけで表現するのは上手くいかなかったので今回は断念しました。
 
 まとめ

 今回の文鳥は、レジンキャストに挑戦したり、パステルで塗装するなど、初めての挑戦が多かったように
 思います。色々苦戦もしましたが、最終的には物になって良かったです。最後にパステル塗装について
 利点と課題をまとめておきます。
 
 【利点】
  ・筆ムラが発生しないので、広い面積を塗るのが楽。
  ・テクスチャーやバーニングなどのモールドを消すことがない。
  ・ボカシが凄く楽。
  ・基本的に難しい技術は必要ない。(案外初心者向きかも)
  
 【課題】 
  ・濃い色が出しにくい。
  ・細かい模様が塗りにくい。
  ・プライマーの乾燥時間が少々長い。(プライマーのお値段も高い)
  
 多分パステル塗装よりも、エアブラシ塗装の方が良いのでしょうが、設備や技術に問題がある場合は、
 選択肢としてアリだと思います。筆ムラは広い面を塗る時に発生しやすく、ついつい厚塗りになってしまう
 ので、パステルで基本塗装を行い、プライマーで表面コートをしっかり行った後にアクリル絵具で仕上げる
 が、案外良い方法なのかもしれません。これならば厚塗りせずに、細かい模様も塗れるように思います。
 次回作で検討してみようと思います。
 

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