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モズ(バードカービング)の製作記録を紹介しています。
道具や材料、詳細な作り方については「バードカービングの作り方」を参照してください。

 モズ 羽枝出し
 2010/01/17 羽枝出し

 ひたすらバーニングしました。疲れました・・
 以下、注意したところです。
 
 ■バーニングで仕上げる場合は、羽枝が直線的になりがちなので、
  胸や腹の柔らかい羽は、意識して曲線にする。直線的になると、
  硬い羽に見えてしまう。
  
 ■尾や風切羽はいつも通り入れているが、羽と羽の差を強調する
  ために、ペンを寝かして焼いている箇所がある。あまりやりすぎ
  ると、羽が直線的になりすぎるので、ほどほどにしている。
  
 ■上記と同様に、羽軸もペンを寝かして焼いている箇所がある。
  これも、ペンの温度を下げ、やりすぎないように注意する。
  
 ■背中の羽は適当の処理した、大きめな柔らかい羽ということにした。
  
 ■肛門付近は羽と羽の段差が激しい箇所になっている。羽の割れを
  ペン先で思い切り焼いている。羽と羽の境界が直線的にならず、
  ギザギザのなるように注意している。
  
 ■胸の羽は、一枚一枚を丹念に焼いている。腹や胸は通常、 
  テクスチャリングで仕上げるが、今回は細かく焼くことで、
  ディテールアップを目指している。
  
 ■頭の羽の羽枝の方向はなるべく上を向くように注意した。
  寝かしてしまうと、モズっぽくなくなるので注意する。
  
 ■クチバシ周辺の羽は、立てるように、一枚一枚を強調した。

 ■頬羽の羽枝は、目に回り込むような向きになるように方向に注意した。

 以上、こんなところに注意しました。
 紙面が余っているので、以下バーニングついての考察や一般事項(心得)を
 だらだらと書いてみました。
 
 [バーニングのメリット]
 
 今回の作品はテクスチャリングで仕上げるところも、バーニングしています。
 普通、バーニングは尾や風切羽など硬い羽だけにします。柔らかい羽は、
 テクスチャリングが一般的です。
 
 テクスチャリングはカーブの表現が楽なので、柔らかい羽に向いています。
 一方、バーニングはどうしても直線的になりがちで、硬い羽に向いています。
 
 しかし、バーニングの方が、テクスチャリングより、細かく、鋭く、深く入る
 ような気がします。深く入るということは、色塗りしていても、羽枝が消えに
 くいことを意味します。
 
 また、羽と羽の段差が激しい場合は、テクスチャリングだけで境界をぼかす
 (ギザギザにする)のは厳しいように思います。バーニングだと、深く入る
 ので、これができます。
 
 ただ、バーニングは細かい仕上げができる分、時間もかかります。
 一応、今回は一週間で仕上げましたが、かなり大変でした。
 
 そのかわり、テクスチャリングを行わなかったので、ホワイトストーンを
 消費せずにすみました。ホワイトストーンは消耗品なので助かります。

 テクスチャリングをして、羽と羽の段差はバーニングでぼかすという方法も
 あります。案外このやり方のほうがいいのかもしれません。
 
 他にバーニング仕上げのメリットとしては、木目に影響されにくいということ
 でしょうか。テクスチャリングだとどうしても、硬い部分は削れずに、木目が
 でてきてしまいます。しかし、バーニングだと硬い部分は長く焼けばいいので、
 木目に影響されにくいです。今回使っているチュペロのような材料の場合は
 いいのですが、もっと、木目がハッキリしている材料を使う場合は重要に
 なってくると思います。
 
 [バーニングの心得]
 
 バーニングは長時間行っていると、ペン先に木の煤(スス)が付いてきます。
 時々、400番のヤスリで先端を磨いてやったほうがいいです。パテの箇所
 をバーニングするとゴミがついたりするので、同様に磨きます。

 バーニングペンはナイフのように先端を研いでおいたほうがいいです。
 新品の場合、研いでいないことがあるので、ヤスリなどでしっかり研ぎ出します。
 そうすることで、綺麗にバーンニングが入ります。
 
 羽枝を表現する場合、バーニングペンは作品に対し直角にあてるようにします。 
 また、自分の場合は常に上から下に入れるようにしています。
 基本的に、左から右や、下から上には入れないようにしてます。

 右手の位置は固定し、作品の方を回転させることが多いです。
 このようなやり方の方が、安定して入れられるように思います。
 
 ただし、上から下に入れるのはかなり練習しました。
 羽ブローチや、シャーペンで紙に書くような練習です。
 練習の時は、対象物を必ず左手で持って練習します。
 机の上とかに置いて練習したのでは、練習になりません。
 目に頼らずに、指先の感覚だけで入れられるようになるようがんばります。

 バーニングの速さは、なるべく一定にするようにしています。
 自分の場合は、一本一本を大事に焼くように意識しながらやっています。
 面倒になって、サッサとやってしまわないようにしてます。
 
 温度は状況に合わせて変えています。
 対象物の硬さ、室温、自分の手の動き(速さ)によって変わります。
 クーラーや扇風機などで、ペン先に風があたる環境はよくないです。
 風が当たるたびに温度が変わって、やりにくいです。
 しかし、口で息を吹きつけて微妙な温度調整をすることもあります。

 バーニングだけでないですが、照明は大変重要です。
 手元を明るく照らせるような環境を作ったほうがいいです。
 
 以上、だらだらとバーニングについて書いてみました。
 これは、2010年1月の考えであり、将来変わるかもしれません。
 あしからず。
 
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