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 スズメ 足の製作
 はじめに
 概要
 針金と粘土で足を作ります。
 左の写真は足のスケッチです。

 足の指は関節毎にシワが入り、下部には肉球がついています。
 このあたりをメリハリをつけて作り込むと、リアルになります。
 逆に「悪い例」のようにメリハリのない足は、よくないです。
 
 フショの断面は楕円になっています。
 正面から見ると細く、横から見ると太く見えます。
 
 道具 1
 [材料切り出し]〜[爪の研ぎ出し]までの道具です。 

 A:直径1.0mmの真鍮線
 B:直径0.9mmの銅線
 C:真鍮ブロック
 D:ラジオペンチ
 E:金槌
 F:ロッキングプライヤー
 G:ダイヤモンドヤスリ

 道具 2
 [足の組立て]〜[仕上げ]までの道具です。 

 A:金属加工用ハンダゴテ
 B:ハンダ用ペースト
 C:金属加工用ハンダ
 D:ホチキス(広がるもの)
 E:角材
 F:ドリルビット、グリーンストーン、ピンクストーン
 G:パテベラ
 H:軽量石粉粘土(GSIクレオス製)

 材料の切り出し
 手順 1
 左図のように材料を2本ずつ切り出します。
 
 真鍮線 : 39mm(フショ用)
 銅線  : 26mm(中趾、内趾用)
 銅線  : 26mm(外趾、後趾用)
 爪の曲げ
 手順 2
 切り出した材料を写真のように、ラジオペンチで曲げます。
 この時、各パーツの曲げ具合は同じようになるように注意します。
 爪の厚みをだす
 手順 3
 爪の部分を、真鍮ブロックを下敷きにして、金槌で叩いて潰します。
 真鍮ブロックがない場合は、硬い所であれば何でも構いません。
 爪を研ぎだす
 手順 4
 ロッキングプライヤーで材料を固定し、
 ダイヤモンドヤスリで爪を研ぎだします。
 研ぎだすのは、爪の上面だけです。
 [はじめに]の図を参考にしてください。
 フショの位置合わせ
 手順 5
 フショを差し込むための、穴を本体にあけます。
 穴は直径1mm、深さ10mm以上です。
 穴の向きは、だいたい直角にします。
 手順6で調整するので、だいたいでいいです。
 
 足の幅の目安は、尾羽の幅位とします。
 実際は、止まり方などで幅は変わりますが、
 今回は気をつけポーズなので、これくらいとします。
 
 横の位置は、[手順6]の写真2のように、
 足と地面の設置点が、鳥の重心にくるようにします。

 手順 6
 仮の台に直径1mmの穴を開け、本体を仮止めします。
 重心がずれている場合や、左右が傾いている場合は、
 フショの真鍮線を曲げて調整します。
 この時、フショの部分は曲がらないようにします。
 曲げていいのは、台や本体に差し込まれる部分だけです。
 
 真鍮線を曲げるだけでは調整できない場合、
 追加で穴をあけて調整します。
 その場合、本体にあけた古い穴は、軽量石粉粘土で
 埋めておきます。
 
 今回は平らな所にとめるので、仮台は平らな角材でいいですが、
 傾いた所にとめる場合は、止める角度にあわせて、
 材料を用意する必要があります。

 足のハンダ付け
 手順 7
 写真のように各パーツを折り曲げます。
 この時、外趾が外側に、内趾が内側にくるように、
 左右のパーツを折り曲げます。
 後趾が人間の親指に相当すると思えば分かりやすいです。
 手順 8
 写真のように、[手順6]で作った角材に各材料を固定します。
 この時、各パーツはしっかり接するように固定します。
 隙間があると、ハンダ付けした後に部品がとれたりします。
 
 固定には、ホチキスを使います。
 写真のようにホチキスを広げて使います。
 最近のホチキスは、このように広げられないものが多いので、
 ホチキスを購入するときは注意してください。
 手順 9
 接合面にハンダ用ペーストを爪楊枝で塗りこみます。
 今回はヤニの入っていない金属加工用のハンダを使うので、
 ペーストは塗っておいたほうがいいです。
 ペーストを塗っておくと、ハンダの流れがよくなります。
 ペーストをつけなくても、ハンダ付けはできますが、
 その場合は、電子工作用の「ヤニ入りハンダ」を使ったほうがいいです。
 手順 10
 ハンダ付けします。
 十分に熱くなったハンダコテを針金にあて、
 針金が十分熱くなったら、ハンダを流し込みます。
 基本的に、ハンダゴテにハンダは直接触れないようにします。
 十分ハンダが流れたら、コテを離し、冷えるのを待ちます。
 
 今回は金属加工用の高出力ハンダゴテを使っています。
 今回のような金属加工には、このようなのコテをお勧めします。
 
 また、ハンダ付けが失敗してしまった場合は、
 古いハンダは取り除いたほうがいいです。
 銅線を編みこんだハンダ取りが市販されているので、あると便利です。
 編みこんだ銅線の上からハンダゴテをあてると、ハンダが取れます。
 粘土で肉付け
 手順 11
 [手順6]で作った仮台から、穴の幅を取り、
 本物の台に穴をあけます。
 
 本体を差し込んで向きなどをチェックします。
 問題がある場合は、針金を曲げて調整します。
 
 手順 12
 絵具を混ぜた、軽量石粉粘土を、
 写真のように針金に盛り付けます。
 
 食いつきを良くするために、粘土をつける前に、
 針金は水でよく湿らせておきます。
 また、粘土もやや水分を多くしておきます。
 
 粘土に混ぜた絵具はバーミリオンです。
 これは、後で色塗りを楽にするための布石です。
 
 手順 13
 粘土を良く乾かしたら、グリーンストーンで削ります。
 
 指の上面は、ギリギリまで削り込み、
 指の下面は、あまり削り過ぎないようにします。
 フショは断面が楕円になるように削ります。
 
 グリーンストーンが入らない、指の付け根は、
 ディスクビットを使うと削れます。
 ディスクビットは低速で、慎重に使います。
 
 ディスクビットがない場合は、ヤスリやナイフで
 削ることもできると思います。

 手順 14
 [はじめに]の図を参考に、セーフエンドのホワイトストーンで
 細かいウロコなどを削り込みます。
 削りすぎてしまった場合は、粘土を追加で盛ってください。
 これで足は完成です。
 
 ちなみに、普通は軽量石粉粘土を使わず、エポキシパテで
 仕上げます。初心者にはエポキシパテの加工は難しいので、
 今回は製作方法を変えています。
 
 といっても、この方法も結構難しいもしれません・・・

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