スズメ 羽出し |
はじめに |
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概要
羽を削り出しと、羽枝(ウシ)を出します。
大きい羽は一枚一枚削り出しますが、
小さい羽は羽の固まりを削りだします。
また、硬い羽の羽枝は焼入れ(バーニング)して表現し、
柔らかい羽は、削り(テクスチャリング)で表現します。
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尾、翼の羽出し |
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手順 1
図面を参照しながら、尾羽と翼の羽を鉛筆で下書きします。
この時、厳密に図面通りにする必要はありません。
以下を守っていれば、それで構いません。
■上や後から見て左右対象になっている。
■羽の重なる順番があっている。
■羽の枚数があっている。
翼をたたんだ状態なので、見える羽は限られます。
[翼の羽の重なる順番(下から)]
@ 初列風切羽
A 小翼羽
B 次列風切羽
C 三列風切羽
D 大雨覆
E 中雨覆
[各パーツの羽の順番]
・中雨覆以外 :外側の羽が下
・中雨覆 :外側の羽が上
[見える羽の目安]
@ 初列風切羽 :7〜8枚
A 小翼羽 :2〜3枚
B 次列風切羽 :4〜6枚
C 三列風切羽 :3枚
D 大雨覆 :7〜8枚
E 中雨覆 :4〜6枚
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手順 2
中雨覆を除いて、バーニングペンで下書きした線を焼きます。
この時、ペンを少し寝かして焼きます。
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手順 3
ピンクストーンやグリーンストーンで羽を削り出します。
削り出す順番は、下の羽からです。
尾羽→初列→小翼→次列→三列→大雨覆→中雨覆の順です。
あまり小さいビットを使うと、ガタガタになるので、
羽の大きさに合わせたビットを使います。
尾羽は多少段差が大きくても構いませんが、
それ以外の羽は段差を小さくします。
特に中雨覆は、ほとんど段差がないくらいにします。
可能であれば、羽の割れも削り込みます。
この時、羽枝の方向に気をつけます。
柔らかい材料を使っている場合は、
バーニングだけで段差をつけることができますが、
今回のような、杉材を使う場合は削りだす必要があります。
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羽軸出し |
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手順 4
羽軸が見えそうな羽の羽軸を下書きします。
尾羽裏側の外側の羽は、羽軸がかなり外に寄ります。
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手順 5
下書きした線にそって、バーニングを入れます。
この時、深く焼き過ぎないように注意します。
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手順 6
セーフエンドのピンクストーンやグリーンストーンで、
羽軸を浮きあがせるように削ります。
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柔らかい羽の羽出し |
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手順 7
写真のように、柔らかい羽を下書きします。
[共通の注意事項]
羽は一枚一枚大きさや向きが違います。
整え過ぎないようにします。あまり整っていると、
ウロコのようになってしまいます。
[下尾筒]
長めの羽を一枚一枚書きます。
肛門に近い所が一番下になります。
[腹]
基本的に、羽の固まりを書きます。
真ん中(中心線)が一番下の羽になり、脇腹の方が上になります。
肛門のあたりは、細かい羽を一枚一枚で密集させます。
足の穴に境界がくるように書きます。
[胸、背]
羽の固まりを書きます。
大きさや向きに気をつけます。
[頭]
首の方は、固まりで書きますが、
クチバシに近い方は一枚一枚書きます。
後首のあたりは、細かい羽を密集させます。
ホオの羽は一番上の羽になります。
クチバシと目の間は、目からクチバシに向けて書きます。
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手順 8
下尾筒→腹→胸→背の順で羽を削りだします。
使うビットは、ルビーカッターやピンクストーンです。
翼の羽同様に、下の羽から出していきます。
肛門のあたりを除いて、これらの羽は基本的に、
境界が分からないように削ります。
削り方は、下書き線に合わせて輪郭を削り、
その後、境界を丸めるように削ります。
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手順 9
頭の羽を削り出します。
首に近い所は、境界を丸めますが、
クチバシに近い方は境界を丸めません。
目を傷つけないように注意します。
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クチバシの加工 |
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手順 10
上クチバシと下クチバシの境界線を、
バーニングペンで焼き入れします。
このとき、線が直線にならないように注意します。
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手順 11
上クチバシと下クチバシの境界線を、
少し削ります。
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尾、翼の羽枝出し(バーニング) |
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手順 12
バーニングペンで、尾、翼の羽枝を焼き入れます。
順番は、下の羽からです。
注意点は、向きが羽軸に対し直角になり過ぎないようにし、
間隔はなるべく詰めます。ただし、重なるのは駄目です。
このサイズの鳥ならばあまり意識する必要ありませんが、
羽縁に向けて緩やかなカーブを描けると、なおいいです。
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柔らかい羽の羽枝出し(テクスチャリング) |
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手順 13
セーフエンドのホワイトストーンで、
柔らかい羽の羽枝を削ります。
グラインダーは最高速度の逆回転に設定し、
作品に対し、45°にあてて削ります。
順番は下の羽からです。
あまり直線的になると、硬い羽に見えてしまうので、
方向や向きは特に注意します。
腹など羽の固まりの場合は、複数の羽を削り込みます。
一通り削った後、削り忘れや、
間隔が空き過ぎている箇所がないか確認します。
あった場合は、バーニングで追加します。
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